「従業員の47.1%が女性」Netflixで学ぶ多様性 オリジナルコンテンツの豊富さを見れば納得
ネットフリックスに慣れている人には「当たり前」なことに思えるのですが、これ、よくよく考えると、既存の企業にとってそんなコンテンツのラインナップを同時にたくさん揃えるのは、非常に難しいと思います。
でも、なぜネットフリックスは多様なコンテンツを制作することが可能なのか? 答えは、やはり採用や人事制度にあるようです。
TechCrunchによると、ネットフリックスは世界的に見ると、全従業員の47.1%を女性が占めており、アメリカでは全従業員の8.1%はヒスパニック系・ラテン系、8%は黒人、5.1%は複合人種で、従業員の1.3%がネイティブアメリカン・アラスカネイティブ・ネイティブハワイアン・パシフィックアイランダーおよび/または、中東・北アフリカ出身者のいずれかであるそうです。
また、リーダー層はアジア系15.7%、黒人9.5%、ヒスパニック系4.9%となっており、上層部の4.1%が複合人種だといいます。
今、これを真似できる日本の会社はどれほどあるでしょうか。ちょっと難しいですよね。
視聴者が多様なら制作側も多様であるべき
私は、このネットフリックスの採用の考えが、公正さを目指すのと同時に、グローバルにビジネスを展開するうえでも理にかなっていると思います。要するに、視聴者自体が多様なのだから、その会社に多様な人材がいることは、当たり前なんだ、ということです。
体制的にも、各地域のプロデューサーに権限移譲されているため、現場で「決める」ことができる。
だからこそ、その国の視聴者の感覚もわかるし、ネットフリックスの持っているデータや知見に沿って演出すれば、他の国の人も「共感」できるわけです。ちなみに、ネットフリックスの作品の4分の1は女性が監督を務めているというデータもあります。
よくネットフリックスと日本の放送局や映画との比較で、「制作費」の違いを指摘する声は多いのですが、「多様な視点からクリエイティブをしている」という論点が抜け落ちているように思います。
ダイバーシティに関連したことでいえば、とある企業のカンファレンスで、パラリンピック水泳競技の金メダリストで、前人未到の活躍をされた河合純一先生とご一緒させていただいた機会があります。
そこで河合先生から「障害を持っている人の視点は、クリエイティブなアイデアを生み出すヒントになる可能性がある」ということを教えていただきました。
例えば、目が見えない河合先生は、クロールで100メートルを泳ぐ際に、「ターン」のタイミング把握するために、手を動かす回数や、音、皮膚感覚をうまく使っていた、ということを仰っていました。
その視点は自分には到底思いつけないものだったので、自分が持っていた「常識」が壊れるというか、既存の水泳の捉え方や競技を観戦するポイントが「変わる」ことに、ワクワクしたんですね。
スポーツを観戦するときに、面白がるポイント(視点)が変わる。河合先生のお話を伺って感じたのが、「クリエイティブは、違う視点を混ぜることにヒントがある」ということなんです。
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