「従業員の47.1%が女性」Netflixで学ぶ多様性 オリジナルコンテンツの豊富さを見れば納得

拡大
縮小

企業も「新しい視点」を得るために、次々と多様なバックグラウンドを持つ人たちとのコラボレーションをする機会が増えてきています。イケアは、eスポーツ用のガジェットを開発する際に、ユニバーサルデザインを得意とするデザイン・ブティックのUNYQと共同で、障害を持っている方を招いて、製品のアイディエーションに取り組んでいます。

新しい視点を持つことが何より大事

車イスに乗っている人を「障害者」ではなく「長時間座るということに対して、優れた知見を持っている人」として意見を伺うのです。

『世界のマーケターは、いま何を考えているのか?』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

新しい視点は、とてもクリエイティブな洞察を提供してくれます。このアイディエーションから生まれたイケアの製品は、もちろん障害を持っている人にも使いやすい設計になっていますが、同時に、長時間プレイする、どんなプレイヤーにも、使いやすいデバイスになっているわけです。

もし、イノベーションの定義を、シュンペーターの言った「異質なものの新結合」だとするのであれば、ダイバーシティの取り組みはまさに「違う視点を交差させてみる」ことにつながるのだと思います。

冒頭のネットフリックスの例を見ればわかるように、これからは組織の構成自体が、マーケティング戦略そのものになります。つまり、これからのマーケティングのコアになるのは、どこまでいっても「人」なのです。

廣田 周作 ブランドリサーチャー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひろた しゅうさく / Shusaku Hirota

1980年生まれ。放送局でのディレクター、広告会社でのマーケティング、新規事業開発・ブランドコンサルティング業務を経て、2018年8月に、企業のブランド開発を専門に行うHenge Inc.を設立。英国ロンドンに拠点をもつイノベーション・リサーチ企業Stylus Media Groupのチーフ・コンサルタントと、Vogue Business(コンデナスト・インターナショナル)の日本市場におけるディレクターも兼任する。独自のブランド開発やリサーチの手法をもち、多くの企業のブランド戦略立案やイノベーション・プロジェクトに携わる。著書に『SHARED VISION』(宣伝会議)など。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT