破産した中国「紫光集団」、再建案が早期確定へ スポンサーが1兆円投じ債務の4割を現金弁済

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紫光集団の破産・再編手続きは年明けを待たずに最終確定する可能性が出てきた(写真は紫光集団のウェブサイトより)

中国の企業破産法に基づく破産・再編手続きが進められている国有半導体大手、紫光集団の経営再建計画の大枠がまとまった。同社の破産管財人は12月13日、(経営再建のスポンサーとなる)戦略投資家と契約を結んだうえで、事業および資産の組み替えの草案を策定し、それを(手続きを所管する)北京市第一中級法院(地方裁判所)に提出したと発表した。

(訳注:紫光集団の破産に関しては『中国の半導体「紫光集団」に破産申し立ての深刻』を参照)

国営新華社系の経済紙、上海証券報の報道によれば、戦略投資家に選ばれたのはプライベートエクイティファンドの智路資本(ワイズロード・キャピタル)と建広資産管理(JACキャピタル)を中心に組成されたコンソーシアムだ。戦略投資家は紫光集団に総額600億元(約1兆676億円)を注入し、その全額が債権者に対する債務の弁済に充てられる。と同時に、コンソーシアムが受け皿会社を設立し、紫光集団の経営権を一括して取得する計画だ。

債務の弁済方法に関しては、現金弁済に「債権と株式の交換」および「残債の一定年数の留保」を組み合わせた3種類のプランのなかから債権者が選択できる。そのうち現金部分の弁済比率は40%に達する見込みだ。

管財人と債権者の双方にメリット

破産管財人の発表と同じ日、紫光集団は(裁判所が主催する)第2回債権者会議の召集を告知した。同会議は2021年12月29日に開かれ、再編案の是非を問う投票と採決が行われる予定だ。順調に進めば、紫光集団の破産・再編手続きは年明けを待たずに最終確定する可能性がある。

財新記者の取材に応じた半導体業界の関係者によれば、破産・再編手続の早期確定は2つの理由により、管財人と債権者の双方に利益がある。第1の理由は、中国国内で半導体ビジネスへの投資ブームが起きているため、手続きが遅れれば紫光集団傘下の事業会社が人材引き抜きの「草刈り場」になりかねないことだ。

本記事は「財新」の提供記事です

第2の理由は、年明けの1~3月は例年、半導体業界の資金需要が高まる時期であることだ。なかでも(自前の製造設備を持たない)半導体設計会社は、受託製造会社と交渉して1年分の生産枠を予約しなければならない。その前に破産・再編手続きが確定すれば、紫光集団傘下の半導体設計会社は金融機関からの融資を受けやすくなる。

(財新記者:彭駸駸、張而馳)
※原文の配信は12月13日

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