一方海外に向けては、明確なメッセージを示すことができた。モディ首相が就任後最初に行ったのは、SAARC(南アジア地域協力連合)各国の首脳を自らの就任宣誓式に招待したことであり、この大胆な決定は支持者と批評家の双方を驚かせた。この行動は、多くの人の称賛を受け、それに続くネパールとブータンへの訪問も暖かい歓迎を受けた。インドの首相がネパールを訪問するのは17年ぶりだ。
BRICs首脳会議においてモディ首相は、新開発銀行と緊急時外貨準備金基金を設立する上で重要な役割を果たした。2つの動きを通じて中国が世界的大国になることへの議論はあるものの、参加5カ国が資本金を均等に出資したこと、また、初代総裁がインドから選出されることには国内でも満足感が高い。
近くモディ首相は、ウラン取引に関する合意の締結を目指す豪州のトニー・アボット首相の訪問を受ける予定。これが初めての国家元首来訪となる。その後には、中国の習近平国家主席と米国のオバマ大統領との会談も予定されている。来る国連総会でのモディ首相のスピーチが彼の世界観や将来の外交政策の計画を知る上で重要な指標となりそうだ。
外交では大きな案件が不成功に
一方で外遊中には不成功に終わった事柄もあった。とりわけ、日本との原子力協定を締結できなかったこと、ネパール訪問中に電力協定の問題を決着できなかったことが挙げられる。
モディ政権は外資導入による経済振興を重視している。100日においてもすでに、鉄道部門(列車の操縦と安全確保を除く)への100%の外国直接投資を認める計画を打ち出した。資金不足にあえぐ鉄道部門を改革の軌道に乗せる可能性がある。雇用創出にも繋がるだろう。
また政府は、防衛産業と保険業における外資投資の上限を26%から49%へと引き上げる案も示した。ただ、保険に関する法案はインド上院では風向きが良くなく、通過はまだである。
モディ首相の「インドの夜明け」へ向けた、厳しく長い戦いは、これから本格化する。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら