インドの農地面積は1億7990万ヘクタールあり、世界第2位の規模を誇る。農業は労働人口の52%が従事し、GDPの16%を占めるインド経済の柱だ。
インドの農業は1970年代の「緑の革命」で大きく伸びた。しかし、GDPに占める農業の割合は、1980年代から2007年までの間に36%から18%に低下している。これは工業部門やサービス部門が急速に発展したためだ。
インドの農業は非常に大きな問題を抱えている。それはインド経済が今日に至ってもモンスーンという気候条件に大きく依存していることだ。モンスーンが農業生産量、インフレ、個人消費、最終的には経済成長を決めるといっても過言ではない。
2013年は干ばつに
モンスーンが例年通りに最適な雨量をもたらせば、インフレは抑制される。ところが2013年のモンスーンは過去40年間でもっとも少ない雨しかもたらさず、サトウキビ、米、小麦の生産が振るわず、11月から食料価格が15%以上も高騰した。モンスーンが十分な雨をもたらせば、全体的に購買力は高まるが、モンスーンが不調で干ばつになれば、所得の低下を招き、政府は補助金を出して救済措置をとるなどの負担を強いられることになる。
雨量が極端に少なかったり、反対に多すぎたりするモンスーンの不調は農業生産に大きな影響を与え、インドの農業を不安定なものにしている。つまり、インドは果てしなく悪戦苦闘する輪から逃れられないままなのだ。
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