オンライン面談が憂鬱な人が知らない「対話の型」 相手の頭の中を「交通整理」するだけでいい

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自分で練習ができたら、対話相手の思考整理を行うステップに移りましょう。

よりイメージできるように、4つのステップに沿って、思考整理を進める実例をご紹介します。

これは実際に私がコンサルタント養成塾の塾生に思考整理をしたときの例です。

思考整理の実例

その塾生は人間関係をよくするためのセミナー事業を行っていて、多くの顧客に喜ばれていました。今はセミナーを教える側のメンバーも育ち、事業は順調に軌道に乗っています。

私 「今日話し合うタイトルは何にしますか?」
塾生 「ハイ。『自分の事業を全国に普及するには』です」
私 「いいですね。現状を聞かせてもらっていいですか?①」
塾生 「今は東海地方と、関東や中国地方でも教室を開いてくれる人がいます」
私 「すごいですね。今は運営側のメンバーは何人ぐらいいるんですか?」
塾生 「基本的なことを教えられるナビゲーターは100人ぐらいいて、そのなかで専門的なことを教えられる講師が15人ぐらい、さらに私の想いに賛同して全国に広げようとしてくれている存在が5、6人ぐらいです②」
私 「その、想いに賛同して広げようとしてくれている人の肩書きはついていますか?」
塾生 「えっ、肩書きですか? ついてません」
私 「じゃあ、仮で構わないので、今つけてみませんか③」
塾生 「仮で? えーと、じゃあ、コミュニケーターにします」
私 「いいですね。ということは、セミナーを広める人と事業を深める人の両方がいるということですね。ナビゲーターが広げる人、深める人がコミュニケーターってことで合ってますか?」
塾生 「ハイ、そうです」
私 「直観で答えてほしいんですが、これ以上進化しきれないほど事業を深めた深度の最大が10点満点、その事業を全国に広げきった点数を10点とすると、現状はどんな数値になりますか④」
塾生 「事業を広げるのは3点、深めるのは8.5点です」
私 「いいですね。それじゃあ、理想を聞かせてもらえますか。どんな感じになったらいいですか⑤」
塾生 「この事業を全国に広げたいのは、『優しい言葉社会をつくりたい』からなんです。それが事業のビジョンです。最近気づいたんですけど、セミナーを受けるのは学校の先生とか、看護師さんとか、介護の関係の人が多いんですよね。そういう人たちに広げていきたいなあ、と」
次ページ対話は続いて…
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