「横グラフ」で同僚の足引っ張らない組織作り ネッツトヨタ南国に「働きやすさ」を学ぶ(前編)

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もちろん同社でも、コンテストのようなものはたまに行われます。ただ、その場合でも、30人の中で1位は誰なのか、というような「相対競争」は一切やりません。あくまでも、その人が自分の掲げた目標を超えられたかどうかを「絶対競争」として競うのです。

自分の目指す目標を超えたら1位、到達したら2位。だから、1位が同時に何名もいる場合もあります。同僚をライバルにすると競争へのモチベーションが上がってエネルギーは出ますが、同時に弊害も出てきてしまいます。他人をライバルにするのではなく、自分をライバルにする。それが横田さんのやり方なのです。

また、経営の世界で使われがちな「革新」という言葉、使わないというこだわりがあるそうです。

ジャンプアップでなく、日々の積み重ね

「私は『革新』よりも『進化』という言葉を使います。組織ではよく『○○革新』などと言いますよね。でも、革新と言いながら結局何も変わらないことがほとんどです。なぜそうなるかというと、革新という言葉の本質を分かっていないからです。革新とはこれまでの習慣・制度・状態・考え方などを劇的に変えてしまうとういこと。つまり過去を否定するということになります。日頃から進化し続けていれば、ある日突然ジャンプアップ(革新)しなくてもよいはずです。

革新をしなければならないというのは、昨日までの自分たちが一段低いところにいた、というのを認めているのと同じことです。その考えは前向きではありません。本当に大事なのは、昨日までの自分たちを否定せず、組織も人も柔軟に変わり続けること。それが『進化』です」(横田さん)

「競争より共創」「縦のグラフではなく横のグラフ」「革新より進化」……少しお話をうかがっただけでも、横田さんの口から印象的なフレーズがたくさん出てきました。確かに旧来の常識とは反するように見えることもたくさんありますが、これだけ大胆かつ的確な経営方針を持っているからこそ、理想的な組織作りができているのでしょう。

次回は、実際に働いている女性社員の声も聞きながら、ネッツ南国株式会社の強さの秘密について、さらに掘り下げて考えてみたいと思います。

営業部女子課とは、主宰の太田彩子が2009年に立ち上げた、営業女子を応援するためのコミュニティです。女性営業職の活躍を拡げることで、結果男女ともに輝きながら働ける社会創造を目指しています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

(構成:ラリー遠田/撮影:斉藤由佳・ビスタワークス研究所)

太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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