「自己愛の低い人」が幸せになるたった1つの方法 子が親に贈る「自分の人生を創る」ライフシフト
こんなふうに言えるだけで、案外、人生は幸せだったりします。ハードルの高くない行動を、前に進めていくヒントかもしれません。
そして、こういった話をしていると、最初はあまり話ができなかった子たちから、「このアニメが好き」「こういう料理が気に入っている」という話が出てくるようになります。そこに共感していくと、彼ら自身が、自分の中にこんな感情があったんだと、感じるようになってもいきます。
自分の好きなことを話してくれる時の子たちは、大切なものをポケットの奥からそっと取り出して見せてくれるような様子で、表情はとても朗らかですし、その姿を目の当たりにすると、最初から積極的に話してくれる起業家志望の子たちと、なんら差はないのだと実感させられます。
こういったことは、社会人にもあります。キャリアカウンセリングの大先輩からお聞きした話ですが、何度カウンセリングしても、自分のキャリア観が見つからない、何がしたいか見つからないという人はいます。
でも、そのような人でも、ありうる未来像や大事な価値観を、どこかに必ず持っている。それを、聞き手側が最後の最後まで信じてあげられるかどうかで結果が変わるのです。ここは非常に重要なヒントだと思います。
持続可能な世界に必要なこと
僕は、持続可能な世界というものをずっと考えています。産業資本主義の構造においては、成長だけでは頭打ちになりますし、人口減少する中で、日本経済だけを見ていても成り立ちません。世界で見ても同じです。
しかも、頭打ちの状態にたどり着く前に、地球が持続できるかどうかすら危うい。最近登場した、サーキュラーエコノミーやドーナツ経済学といった考え方などは、成長一辺倒ではなく、過少でもなく欠乏する状態でもないという中庸を見つけやすくなると思っています。政府からもそのような指針が出てくるでしょう。
こうした社会のなかで、ミクロにあたる個人が、『ライフ・シフト2』のような指南書をもとに動いていけば、自分の人生における転換点を見つけること、学習期間を見つけることなど、変化が現れるのではないでしょうか。
そして本書は、企業や国家に向けてのマクロレベルの問いかけでもあります。持続可能性という問題に対して、草の根的なレベルからの立ち振る舞いをいかに変えられるかで未来が決まってくるでしょう。
(構成 泉美木蘭)
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