「自己愛の低い人」が幸せになるたった1つの方法 子が親に贈る「自分の人生を創る」ライフシフト

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自己肯定感は、1人では育めません。他者との関係性の中で、どのような接し方をされたか、自己開示をしたときに受け止めてもらえたかどうかというような、本当に小さな成功体験をたくさん積むことでできあがっていくものです。

キャリアを変えたり、行動変容する場合にも、最後の意思決定は、自分が行うものです。そして、その自分とは、他者との関係性によって成り立っているものです。

分断の社会とも言われますが、この部分にある差は非常に大きく、どれだけ引き上げることができるのかは、政府や教育機関の課題として、横たわっているように思います。

コミュニティに入れないなら、自分で始めればいい

僕がアドバイスできることは、小さな失敗ができる環境を持つ、ということです。

そして、すでにあるコミュニティに入っていくことだけが、人間関係のすべてではないとも思います。一歩踏み出すのが怖いのなら、コミュニティに入らなくてもいいし、自分がコミュニティを作るという選択肢もあります。それを知っておけば、世界の見え方が変わるでしょう。

僕は、幼稚園から小・中学生までいじめられていました。だから、後からコミュニティに入っていくことには、苦手意識があります。

そこで高校生の時、自分から動いてみる、やりたいことをやってみることにしました。すると、自分に興味を持ってくれる人、同じことをやってみたいと思ってるんだよね、という人が集まってくれるようになったのです。

運よくそこで成功体験を積むことができたので、その後、生徒会、学生団体、日本ポップコーン協会、それから起業へと挑戦していきました。傷ついた体験からのリハビリのように、少しずつ他者との関係性を作ってきたように思います。

特に、日本ポップコーン協会は、最初は自分の偏愛でしかなく、理解されないと思っていました。でも、やってみれば今では970人も会員がいて、今年からは、自社管理の栽培農地でポップコーンを作るというプロジェクトも始まっています。

そんな経験から、コミュニティは、本当に他愛ない、自分のピュアな感情から作ることもできると思っています。

■誰もがありうる未来像を持っている

モチベーションの見えてこない高校生の子たちに対して、「起業家」として接すると、「この人のようには到底なれない」という壁を感じさせてしまいます。ですから、こちらが興味を持って、その子の世界観を知りたいという姿勢で接することを大事にしています。

「僕にはこんなに大好きなものがあって、愚直にやっていたら、こんなふうに輪が広がったんだ。もしかするとビジネスになるかもしれないし、ならなくても、大好きなものに一生関わることができるから、それでいいんだ」

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