「自分で自分を潰す人」がやりがちな思考のクセ 疲弊感なく物事を継続するために必要なこと

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でもその結果、学校の勉強なんかよりもはるかにすごい記憶力を発揮したり、苦もなく膨大な知識や明晰な分析力を身につけていたりするわけです。

つまり、「義務感」が発生しなければ、物事の継続はうまくいきやすい、というわけです。

「義務感」はいつから始まるのか

世界的に見れば、日本は経済もインフラも、すごく恵まれているほうだと思います。それなのにどこか生きづらくて、多くの人が心の底からは人生を楽しめていない感じがするのは、なぜでしょうか。

細かく挙げだしたらキリがないと思いますが、その生きづらさの正体こそが、「義務感」に集約できると僕は感じています。

こうしなくちゃいけない、こうでなくてはいけない、という「義務感」が蓄積した結果が、現在の生きづらさではないでしょうか。

ここで疑問として浮かんでくるのが、「僕たちは、いつから『義務感』を背負うようになったのだろうか?」ということです。

生まれたての赤ちゃんには、「義務感」なんてありません。

周りにいる同じ月に生まれた赤ちゃんを見て、「やべ! 私も早くハイハイできるようにならなくちゃ!」なんて思っているわけがありませんよね。

まず、赤ちゃんには自意識という名のノイズがないから、そういうことを考えようがないわけです。

では、何が「義務感」を生むいちばんの原因かというと、おそらく外の社会に触れることだと思います。つまり、保育園や幼稚園に通い出したあたりが、僕たちが「義務感」を最初に背負いはじめるタイミングではないでしょうか。

僕は自分の子どもたちを見ていて、そう思いました。3歳で幼稚園に通いはじめたとたん、自分発ではない「しなくちゃ」が一気に発生するのです。

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