「自分で自分を潰す人」がやりがちな思考のクセ 疲弊感なく物事を継続するために必要なこと

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こうしてリスト化してみると、「義務感」というものが、どれほどブレーキになっていたのか気づいた人も多いでしょう。

本来ならば喜びのはずの家族との時間ですら、「家族サービスしなくちゃいけない」と感じていたことが可視化されて愕然とした人もいるかもしれません。

また、楽しみのつもりのゲームが、半ば義務的で「実はもう飽きているのになんとなくやっていた」ことを発見した人もいるかもしれません。

そう考えると、「しなくちゃいけないと思い込んでいたけど、本当はしなくたっていいのかもしれない」と、手放せる「義務感」があることに気づいた人もいるのではないでしょうか。

また、いつしか「義務感」のように感じていたけれど、もともとは好きなことだった、ということに気づく人もいるかもしれません。

“あるもの”に気づけるようになる

多くの人は、自分に“ないもの”にばかり目を向けるからストレスがたまります。

でも、「実は好きだったよな」と“あるもの”に気づけるようになると、しんどい「義務感」を純粋な「意欲」へと転換できる可能性も出てきます。

一例を挙げれば、砂場遊びを楽しんでいる子どもたちと、汚れるから砂場遊びは嫌だと思いながら子どもに付き合っている大人たち、やっている行為は同じでも意味づけを変えているのは、自分自身です。

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でも、もしかすると、砂場にいる自分を丁寧に味わい尽くしてみたら、「久しぶりにはだしで砂のつぶを感じてみたら気持ちいいなぁ」「砂にシャベルを差す音って楽しいなぁ」と自分の中の景色が変わるきっかけになるかもしれません。

どんな人も、実は「自分が見たい景色」を見て、現在を生きています。
目の前の現実から何を感じたいのかは、選ぶことができます。

その姿勢で生きていれば、毎日を変えていくこともできます。

人との比較ではなく、人から課せられるのでもなく、自分自身が純粋にやりたいからする。

自分のセンサーを復活させるためのファーストステップに、まずは自分を縛っている「義務感」を可視化することから始めてみてください。

武田 双雲 書道家

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たけだ そううん

1975年熊本県生まれ。東京理科大学卒業後、NTTに就職。約3年後に書道家として独立。音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、斬新な個展など独自の創作活動で注目を集め、映画「春の雪」「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」など、数多くの題字、ロゴを手がける。フジロックフェスティバルや、ロシア、スイスなど世界中から依頼を受け、パフォーマンス書道、書道ワークショップを行なうとともに、2013年には文化庁から文化交流使に任命される。2017年には体に優しいオーガニック食材や発酵食品を使った店舗のプロデュースを手がけ、湘南に「CHIKYU FARM TO TABLE」を、翌年には浅草にCHIKYUの姉妹店「MISOJYU」をオープン。

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