コロナ禍で「夕食の手作りやめた家庭が急増」の訳 データ分析で見えた食卓の大きな構造変化

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では、直近2021年の手作りはどうなったかというと、2020年と比べて大幅ダウンだったばかりでなく、その前年2019年の水準も下回る結果となり、2016年以降の6年間で最低レベルとなりました。「手作り離れ」が再び加速し始めた様子が見てとれます。

2021年を見ると、手作りから離れた分が加工食品と総菜にシフトしていることがわかります。ところが加工食品、総菜ともに「食の外部化」という意味合いでは同じ位置づけにあるにもかかわらず、両者の動きは少し異なっていることがわかりました。

まず総菜の動きを見てみると、2020年に大きく減少している点が特徴的です。単純に、手作りが増えた分、総菜が減ったというとらえ方もできますが、それだと加工食品も減っていてもよさそうですが、そうはなっていません。

買い物行動の変化が総菜の向かい風に

2020年に総菜だけが減った要因の1つは、買い物に出かける機会が制限されたことが大きかったようです。

この時期は、感染リスクを抑えるために買い物の頻度を少なくしてまとめ買いを増やしたり、ネットスーパーを活用し始めたりと、買い物行動自体を変化させた世帯が多かったものと想像されます。総菜は基本的には「その日に食べるもの」にしか対応できないので、こうした買い物行動の変化が、総菜にとって向かい風になったとみられます。

さらに、コストの問題も考えられそうです。総菜は、手作りに比べるとどうしても割高になりがちです。夕食に参加する家族が少ない場合は、コストより簡便性のメリットを感じやすいですが、参加する家族が多くなってくると、コスト的な負担感が大きいと感じられたのではないでしょうか。

次ページ次に加工食品の動向を見てみると…
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