普通の会社員なのに「億り人」共通する意外な習慣 お金を「使う・貯める・増やす」のコントール法

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明治から昭和にかけて植林、造園、産業振興等多方面で活躍し、同時に投資によって巨額の資産を築いた本多静六という人がいます。彼は大学で教べんをとっていたので、自営業ではなく、給与所得者です。彼の書いた「私の財産告白」は今日に至るも資産形成に関する不朽の名著と言っていいのですが、その中で彼は「本多式四分の一貯金法」という考え方を説いています。

月給などの月々決まった収入はその4分の1を天引きで貯金しよう、そして賞与などの臨時収入は全額を貯金につぎ込む、という方法です。4分の1、つまり給料の25%ですからこれはかなり苦しい生活になるでしょう。そこまでしなくてもいいかもしれませんが、少なくとも1割〜2割は貯金に回すのが良いと思います。

彼はそうやって貯めたお金を投資に回していったわけですが、現代であれば、一定の目標金額まで貯めれば、そこから先は貯金に回していた分のお金を積立投資に回すのが良いでしょう。

まずは生活費の2年分を貯めよう

一定の目標は人によって異なるでしょうが、私は年間に必要な生活費の2年分を目処にするのが良いと思います。昔と違い、今はサラリーマンといえども身分が完全に安泰というわけではありません。

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いつなん時、職を失うことになるかわからない。そのことはコロナ禍で多くの人が経験されたことでしょう。したがって、最低でも年間生活費の1年分、できれば2年分はリスクヘッジのために持っておくべきです。

したがって、まず天引きで「貯める」、そして天引きした残りのお金は「使う」、そう全部使ってもいいのです。そして一定額まで貯まったら、貯めたお金には手を付けず、それまで天引きしていたお金を「増やす」ために「貯蓄」ではなく、「投資」へ回していく。

こういう生活パターンをできるだけ早い内から確立していくことが大切です。サラリーマンでありながら40代、50代で「億り人」になった人たちの多くはこのパターンで財産をこしらえているのです。

大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

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おおえ ひでき / Hideki Oe

大手証券会社で25年間にわたって個人の資産運用業務に従事。確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在。日本での導入第1号であるすかいらーくや、トヨタ自動車などの導入にあたりコンサルティングを担当。2003年から大手証券グループの確定拠出年金部長などを務める。独立後は「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念のもと、経済やおカネの知識を伝える活動を行う。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)などがある。

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