「GAFA」が狙っている次の「獲物」は一体何なのか? アップル・アマゾン・グーグル・FB+Xの支配戦略

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では、新たな獲物となるセクターはどこだろうか?著者は、「大学(高等教育)」と「医療」を挙げる。

なぜ「大学」と「医療」なのか?

アメリカで、過去40年間で大学の授業料は何と1400%上昇し、医療費は大学には及ばないものの600%上昇したという。

ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるクレイトン・クリステンセンは、2013年に、オンライン教育によって今後10〜15年で25%の大学が廃校になるだろうと書いたが、2018年に(コロナの前であることに注意)この予想を50%に引き上げたという。

実際、2020年には、さまざまな分野で時間の流れを加速した新型コロナの流行がやって来て、オンライン授業の普及が一気に進んだ。有数の人気講師の1人である著者ギャロウェイ自身も、オンライン授業を取り入れることで受講生を大幅に増やした実績を持っている。

『GAFA next stage 四騎士+Xの次なる支配戦略』(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

「『GAFA+X』が大学を食いにやってくる」という予測に、著者は自信を持っているようだ。

筆者は、過去20年以上にわたる日本経済の停滞について、高等教育と研究による「人的資本」への投資が過小であったことが大きな原因の1つだったと思っているので、「GAFAによる大学食い」の帰趨には、期待(日本の大学教育の進歩)と懸念(日本国内の高等教育が一層衰退して教育と研究の海外へのアウトソーシングが一層進む)の両方を含む興味を持っている。読者も、本書を読んで考えてみてほしい。

なお、著者のギャロウェイ氏は、GAFA的企業の強みをよく理解しながらも、彼らが、従業員、顧客、子供などを「搾取」していることに対して大いに批判的だ。また、経営者が自社株買いで株価を上げて自らの報酬を増やすアメリカ企業の風潮にも手厳しい。

今後の社会のあり方を考えるうえでも、是非読んでおきたい1冊だ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。年末のG1ダート王決定戦の勝者は?
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