ハイテクラケット「バボラプレイ」の実力 これであの錦織圭選手に近づける?

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縮小

近年大人気のランニングを除いて、日本のスポーツ市場は右肩下がりが続いている。

90年代前半のピーク比では、ゴルフが46.2%減、スキー類は65.5%減、テニスは57%減と約半分に縮小している(それぞれ用品)。さらに、この先も少子高齢化の進展で一段の落ち込みが避けられない。そうした中でいかにテニス人口を増やし、プレー頻度を高めるかは業界全体にとって大きな課題となっている。

バボラ社も「新興国の成長で世界のテニス市場はフラット。その中で日本が一番シンドイ。毎年1~2%市場が小さくなっている。バボラプレイでテニスに対する興味を高めたり、テニスのプレー回数を増やせるのではないか」(三村専務)と期待をかける。

普及のネックは価格か

確かに、バボラプレイを使うようになれば、テニスが楽しくなり、プレー頻度が上がる可能性は高い。ただ、バボラプレイは7万円(消費税別)。店頭価格はここから2割程度安くなるというが、それでも簡単に手が出る価格ではない。テニス好きをもっと好きにさせるには効果があっても、テニス人口自体を拡大するのは難しい。

バボラプレイは今後、ピュアドライブ以外のバボラ製ラケットにも対応していく方針だ。

今までにないテニスの楽しさを広くアピールするためには、多少計測精度が劣っても、ソニーのスマートセンサーのような取り外し可能なタイプをそろえたり、他社製のセンサーでも分析アプリを使えるようなオープン化を考えてもいいのかもしれない。
 

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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