職場の飲み会「不要6割」をあおる風潮に疑問な訳 納得させられる一方で分断に乗っかっていないか

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また、「スッキリ」の街頭インタビューでは、「上司とは仕事場での上司と部下という関係以上のものは必要ない」「お酒が弱いので『酔っちゃいけないぞ』と緊張する」「飲むのは好きだけど、気の合わない人と行くのがつらい」「やらないのが当たり前になっているので、やりたいという気持ちがない」などと、率直な不要の理由が続出。

コメンテーターを務めるSHOWROOM代表の前田裕二さんも、「不要。仕事と仕事外をつなげる手っ取り早い橋渡しが飲み会だったが、もうそういう時代じゃない。飲み会の代わりに『○○好きの集い』を開く」。食べチョク代表の秋元里奈さんも、「不要。お酒が苦手な人や夜の飲み会に出られない人も。飲み会の代わりに自由参加のランチ会やオンラインの飲み会を頻繁に開催している」。MCの加藤浩次さんも、「まったくいらない。ただ仲のいい人と飲みたい。仕事は仕事の場で終わらせればいい」と、ほぼ「不要」で一致していました。

そのほかにも、「仕事のグチを聞きたくない」「説教好きの上司が嫌」「酒好きの人に絡まれる」「お酌が苦手」「注文を取るのが大変」「先輩の自慢話にあいづちを打たなければいけない」「ハラスメントとか言われそうで面倒」などがあり、これほど多くの理由があるから6割超の人々が「不要・どちらかといえば不要」と答えたのでしょう。

あくまで「飲み会」はツールの1つ

一方、日本生命のアンケートで「必要・どちらかといえば必要」の理由として主に挙げられていたのは、主に「本音を聞ける・距離を縮められるから」(57.6%)、「情報収集を行えるから」(38.5%)、「ストレス発散になるから」(33.6%)、「悩み(仕事)を相談できるから」(29.2%)、「人脈を広げられるから」(29.2%)の5項目。

また、それ以外にも、「今まで知らなかった別の人柄が見られる」「共通点が見つかって仲よくなれる」「結果的に仕事がしやすくなる」「なかなか会えなかった人や新人と話せる」「むしろランチやオンラインのほうが気を遣う」などの理由もあります。これらはすべてポジティブなものであり、前述した「不要」の理由を感じている人も、それを上回るメリットがあるから「必要」と答えたのでしょう。

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