魔の2歳児イヤイヤ期の子を逆に伸ばす親の心得 親もスッとラクになる、非認知能力の伸ばし方

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(出所)『マンガ モンテッソーリでわかる イヤイヤ期の子どものたすけ方』(河出書房新社)

つまり敏感期とは、生きるために必要な基礎力がとてもスムーズに身につく時期のこと。この時期の子どもは、鋭敏な感覚をたよりに、自らの能力を伸ばすことに夢中になります。そのため、なんでも1人でやりたがり、大人が手出ししようとすると「イヤ!」となります。大人が着替えや食事を手伝おうとしても、子どもに拒絶されるのは、なんでも1人でできるように練習したいからなのです。

子どもは自分を成長させるのに一生懸命

POINT① 子どもの「敏感期」を知っておく

では、イヤイヤ期の子どもに対して、大人はどう接すればいいのでしょう? まず、大切なのは、大人が、子どもの敏感期について知っておくことです。

この時期の子どもは、自分を成長させるために一生懸命になります。例えば、自分で上手に手足を動かせるようになるために何度も何度もモノを投げたり、階段の昇り降りを繰り返したり。あるいは、うまく発声できるようになるために大声を出し続けたり。自分で自分を成長させることに熱中しているため、大人が「やめて!」と言ってもなかなか耳に入りません。

でも、私たち大人も、仕事で集中しているときに話しかけられると、「うるさいなぁ、しばらく放っておいてよ」となりますよね。子どもだって同じこと。真剣だからこそ、邪魔されたくありません。敏感期の子どものこうした真剣さを知っているだけで、イライラしなくなるママ・パパは多いものです。

POINT②「選択」で子どもヤル気を引き出す

この時期の子どもが繰り出すイヤイヤへの対処法として、非常に効果的なのが「子どもに選択させること」です。敏感期の子どもは、あらゆることを1人でできるようになりたくて、なんでも自分でやりたがります。また、2歳前後は「自我」の芽生える時期でもあり、子どもにとっては「自分で選んで、自分ですること」が重要なのです。

(出所)『マンガ モンテッソーリでわかる イヤイヤ期の子どものたすけ方』(河出書房新社)

ですから、子どもがイヤイヤを始めたら、大人は選択肢を与えてみてください。「洋服を着なさい!」と言うのではなく、「青い服と黄色い服、どっちを着る?」と聞いてみるのです。すると、たいていの子どもは驚くほどスムーズに一方を選び、着替えを始めてくれます。

子どもが歯磨きをイヤがるなら「自分で磨く? パパと磨く?」、滑り台をいつまでもやめてくれないなら「あと何回滑ったら行く? 5回? 10回?」と聞いてみるのもいいでしょう。このことを大人が知っているだけで、イヤイヤ期の育児はグッと楽になります。

子どもからすると、自分で選べることで自尊心や自立心が芽生えますし、「自分で選んだことだからしっかりやろう」という責任感が芽生えるのもポイントです。

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