魔の2歳児イヤイヤ期の子を逆に伸ばす親の心得 親もスッとラクになる、非認知能力の伸ばし方
もうひとつ、イヤイヤ期の子どもへの対処法として効果バツグンなのが、大人が「いつもと同じ」を心掛けることです。
幼児期の子どもが敏感になる対象のひとつに「秩序」があります。秩序とは、「いつもと同じ」ということ。「朝になったら、日が昇る」「冬が終われば、春が来る」など、その人が暮らす世界において変わらないルール、それが秩序です。
人間の赤ちゃんは生まれたときから、秩序に強いこだわりを持ちます。なぜなら、この世界のことを何も知らずに生まれてくるため、「いつもと同じ」という秩序を手掛かりにして、世界を理解しようとするからです。例えば、「いつもと同じこの椅子に座ると、ごはんが食べられる」とか、「いつもと同じこの道をたどれば、家に帰れる」とか。「いつもと同じ」であることが、子どもの安心感に繋がるのです。
逆に、「いつもと同じ」が崩れると、子どもは、まるで世界が見ず知らずの場所になってしまったかのような激しい不安を覚えます。ゆえに、この時期の子どもは「いつもと同じ」であることに強いこだわりを見せるのです。そのことを知らない大人が、いつもと違う道を通って帰ろうとしたり、いつもと違う席に座ろうとしたりすると、子どもはとても不安になって「イヤ!」と騒ぎ出すことがあります。
知識に基づくサポートが、子どもを伸ばす
ですから、わけもなく子どものイヤイヤが始まったように見えるとき、大人は一度立ち止まって、「いつもと違うところ、どこかあったかな?」と考えてみてください。そして、思い当たるところがあれば、「いつもと同じ」に戻してあげると、子どものイヤイヤがピタッと収まることがあります。
このように、子どもの敏感期について大人が知ると、子どものイヤイヤに対処できることが増えます。また、子どもの安心感を増やせたり、自立心や責任感を養ったりすることもできます。
とはいえ、中には単なるワガママで子どもが「イヤ!」と言っている場合もありますから、その場合は「ダメなものはダメ」というルールを覚えてもらうことも必要です。
子どもがイヤイヤを通じて見せる「自己成長のための真剣な姿」と「単なるワガママ」の違いを、大人が知っておくこと。そのうえで、子どもに必要なサポートをすること。それだけで、子どもが生きていくために必要な能力に加えて、自立心、自律心、自尊心、責任感など、学力やIQなど数値では測れない「非認知能力」を養うことも可能になります。そして、イヤイヤ期の育児に悩むママ・パパもグッとラクになるのです。
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