「信頼できる政治家」2000年前に語られていた本質 古代ローマ「祖国の父」キケロの今にも遺る言葉
国政を預かる者は誰しも、市民が私有財産を守れるように、そして個人の合法的な財産を国家が取り上げることのないように、まず取り計らわなくてはいけない。
フィリップスは護民官だったときに、土地を分配するという破壊的な法案を提出した。法案が否決されると彼はそれをしかと受け入れ、潔く負けを認めたが。
とはいえ法案を擁護する演説では、ローマで何らかの資産を所有している人は2000人にすぎないなどと言って恥知らずにも民衆に迎合していた。
この種の誇張もそうだが、資産の均等化を唱える提案自体、非難されるべきものだ。これ以上に破壊的な計画など考えられるだろうか?
実際、ともかくも我々が憲法と政府を持つ主な理由は、個人の資産を守るためなのだ。人間が最初に集まってコミュニティを形成したのが自然の導きだったとしても、自分の正当な所有物は守れるはずだという希望を持って、人々はそうしたのである。
我々の祖先は、空の国庫と絶え間ない戦争を理由に、人民に財産税を課したが、政治的指導者たる者、そのような課税は避けるように努めねばならない。
この種の課税をおこなわないでいいように、前々から対策を講じておくべきだ。
もしそのような負担が国にとって(特にローマのことを言っているわけではなく、どの国でも同じだが)絶対に必要となれば、政府の役人は、市民の安全と安心が、その税の導入にかかっていることを皆に理解させなければいけない。
市民が生活必需品を豊富に持てるよう計らうことも、国政に携わる者の必須のつとめである。何が生活必需品かについては、わかり切ったことなので詳しく話す必要はない。簡単だがこれで十分だろう。
より大きな善のためにプライドを抑えられるか
主義に反することとしてキケロはこれを拒否したが、現実的に考えて、共和政を再建したいのであれば3人との協力が不可欠であることはわかっていた。
*(注4)プブリウス・コルネリウス・レントゥルス・スピンテル。紀元前57年の執政官で、キケロの友人。キケロが亡命先から帰国し、失った資産を取り戻せるよう手助けした。
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