「CX-5」4年目でビッグマイナーチェンジの意味 期待の「FRプラットフォーム」はどうなるのか
結局のところ、マツダのラージ商品群の投入は、アメリカ市場での拡販が最大の目的と言える。
世界を見渡したとき、中国市場の成長があったとしても、アメリカ市場の大きさと重要性は、まだまだ揺るぎない。ところが、マツダのアメリカ進出は、驚くほどに遅れている。
アメリカでのマツダの販売は年間30万台ほどで、年間約150万~200万台規模のトヨタやホンダとは、文字通りに桁が違う。アメリカ市場では、「RAV4」や「CR-V」単体で年間30万~40万台も売れているのだ。マツダ車すべてを合計しても30万台では、さすがに少なすぎる。
生産拠点でいえば、マツダはメキシコに1つ、アメリカにはトヨタとの合弁で建設したアラバマ州ハンツビル市に1つと、計2つしか持っていない。しかも、アラバマでの生産は2022年1月のCX-50からとなる。ごく最近になって、ようやくアメリカに生産拠点を手に入れたばかり、というのがマツダの実情なのだ。
一方でトヨタは、アメリカで独自に9つもの生産拠点を持っており、カナダとメキシコを合わせれば、北米エリアの生産拠点数は13にもなる。ホンダはアメリカに5つ(ほかにパワープロダクツなど2カ所)と、カナダとメキシコに1つずつ工場を構える。
「出遅れた=未開の地」という見方
マツダにとってアメリカ市場は遅れている分、まだまだ開拓されていない新天地であるとも言える。その地を開拓する先鞭となるのが、トヨタとの合弁で手に入れた新しい工場だ。そして、次に必要となるのがラインナップの拡充である。
そこでマツダが用意したのがラージ商品群であり、アメリカ向けの「よりSUVらしく、よりオフロード色の濃い」というCX-50であったのだ。ちなみに、日本では立派なサイズになるCX-5も、アメリカではコンパクトクラス。新たにマツダが投入するラージ商品群でさえ、かの地ではミッドサイズ扱いになる。
また、今のところマツダはラージ商品群としてSUVしか発表していないが、セダンが登場する可能性もある。
アメリカ市場で売れるクルマは、最上位に巨大なピックアップトラックがあり、その下にミッドサイズのSUVとセダンが控えるという構成だ。
SUVだけでなく、セダン需要も多いのがアメリカの特徴だから、そこに「マツダ6」だけでなく、もう少し大きなFRプラットフォームのセダンを投入してもいいはず。
FRプラットフォームと、アメリカでのトヨタとの新工場という2つの武器を手にしたマツダのアメリカ市場への挑戦は、これからが本番と言えるだろう。
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