Netflixが「燃え殻さんの小説」を映画化した事情 「森山未來」「伊藤沙莉」で90年代の渋谷を再現

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今後、Netflix日本が長編映画のラインナップを強化するなかで、日本らしさを追求しながら、グローバルトレンドを意識した作品づくりは進んでいくのでしょうか。「Netflix Festival Japan2021」にはNetflixコンテンツ・アクイジション部門バイス・プレジデントの坂本和隆氏も登壇し、Netflix日本の今後のコンテンツ戦略についてその詳細が語られました。坂本氏曰(いわ)く、日本のNetflix会員の9割が過去1年間で最低1本の日本製の映画作品を視聴しているとのこと。つまり、長編映画は人気カテゴリーであることが強化する理由の1つにあります。

「Netflix Festival Japan2021」に登壇したNetflixコンテンツ・アクイジション部門バイス・プレジデントの坂本和隆氏が長編映画のラインナップ強化を掲げた(写真:Netflix)

加えて、Netflix全体のコンテンツ戦略の中でもオリジナル映画への投資は年々高まっています。本国アメリカでは第91回アカデミー賞主要3部門受賞したアルフォンソ・キュアロン監督作『ROMA/ローマ』を筆頭に実績を上げる作品も多く、今年は念願だったスティーブン・スピルバーグ監督との契約を結ぶに至りました。さらに欧州、アジアなど各国で実力派の映画作品が続々とラインナップに増えている状況にもあります。それゆえに坂本氏は「Netflix日本もこの挑戦に向き合い、メイドインジャパンを伝えるスタジオへと成長させていきたい」と意気込んでいます。

是枝監督との新たなチャレンジ

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このタイミングに、名実ともに日本映画界を代表する是枝裕和監督と映画・ドラマの制作を行っていくことも発表されました。これについて坂本氏に直接尋ねたところ、2年ぐらい前から是枝監督と対話を重ね、「グローバル時代の日本の映像業界が歩むべきもの」についても共有していることがわかりました。「是枝監督が得意とされている人間ドラマの強みと、Netflixだからこそできることを最大限に引き出していきたい」とも話していました。

各国でチャレンジのペースが速まっているなか、日本もアクセルを踏み始めたというわけです。グローバル市場でも結果を出す作品が増えていくかどうか、この数年が正念場となりそうです。

長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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