千田:中学、高校も陸上部で走り幅跳びをやっていて、完全に体育会系だったのですが、大学1年の後期に学食のそばで、大きな声で英語をしゃべっている先輩がいて、ちょっとカッコいいなと思ったのです。
それで、ESSに入部しました。ESS入部は、同期でいちばん最後だったと思います。そこで出会った先輩や先生が、僕の運命を変えてくれました。
ESSで出会った、衝撃の音声学習法
安河内:ESSはディベートの大会に出たり、ディスカッションで相手を論破したりする、英語を勉強する人の頂点のようなところですよね? 高校時代には和訳ばかりやって大学受験の勉強しかしていない。おまけに、走り幅跳びをやっていて、かなり出遅れて入ってきた千田青年です。ここまでは、まだ全然、英語しゃべれない状態ですよね? そんなんで、ちゃんとついていけたのですか?
千田:衝撃が待っていました。“音読”という未知の世界ですね。今でもありますが、研究社の『Spoken American English』というアメリカ英語の口語教本を、200回ほど音読させられました。
安河内:そ、そんなに?
千田:要するに覚えるまで音読したのです。先輩と同じテキストを持って、声に出して読むのです、暗唱できるまで。当時はカセットテープもまだなく、オープンリールや、レコードを聴いてからリピートしていました。
安河内:ホントに200回やったんですか?
千田:ええ。しかも、ただ読むだけでなく、暗唱できるように集中してやりました。だから、今でもレッスン1なんかはすぐ口から出てきますよ。
An old saying tells us if you want something done well, you should do it yourself. Today many people seem to take this saying to heart. They do not buy furniture and other things already made. Instead………こんな感じでね。
安河内:「覚えるまで読む」というのは「そらで言える」ってことですね?
千田:はい。だから音読の回数そのものが大事ではないのです。先月亡くなられた同時通訳の神様、國弘正雄先生は、「『習うより慣れろ』ではなく『慣れるまで習え』。自分のものになるまでやれ。Internalize(内在化)するまでやりなさい」とおっしゃっていました。
(構成:山本 航、撮影:上田真緒)
※次回は12月17日(水)に掲載します。
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