議論が進まない「ダメ会議」を救う3大テクニック 「ファシリテーション」の本質を知っていますか

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どんな人でも実のあることを答えるには、それなりに考える時間が必要です。しかし、参加者にとってとてもつらいのは沈黙で、黙って発言を待たれてしまうと、ますます焦ってしまいます。その結果、思ってもいないことを口走ったり、不確かな情報を口にしたりすることは、その人にとっても不名誉なことになりますし、会議としてもマイナスにしかなりません。

ファシリテーターはしゃべりあぐねる本人に代わって間を埋めてあげて、場合によっては質問やかけ合いによって言葉を引き出す伴走者になってあげることが大切です。

オンライン会議を上手に仕切る方法

折しものコロナ禍で、私たちの働き方は大きく様変わりしました。どこにいても会議や打ち合わせが行えるようになったのは大きなメリットですが、一方で、「対面でなければやりにくい」「細かなニュアンスを伝えにくい」といった声もよく耳にします。

ファシリテーションもまた、オンラインによってとても難しくなりました。何か言いたいことがあるときでも、どう切り込んでいいのかタイミングがつかめなかったり、同時に声がかぶってしまうこともよくあり、オンラインではイニシアチブを握った人にばかり発言権が偏ってしまいがちです。その反面、名指しされれば黙っているわけにもパスするわけにもいきませんから、具体的な意見を用意していない人でも”しゃべらされる“ことがあるのもオンライン会議の厄介なところです。

では、オンライン会議において、ファシリテーターはどのように振る舞えばいいのでしょうか。こなすべき役割は、リアルの場合と基本的には変わりませんが、普段よりもややオーバーなリアクションを心がけるのがポイントです。

たとえば相槌ひとつをとっても、「へえ」「なるほど」と細かな合いの手を入れながら、いつもより少し多めにうなずくように心がけてみてください。相手の声がきちんと聞こえていること、そして、意見をきちんと聞いていることを態度で示して、話しやすい空気を作っていきましょう。声色や表情も同様です。少しだけ声のキーを上げたり、いつもより感情を込めて「そうですか!」とリアクションしたり、目を見開いたりしてみせることで、相手は自分が意味のある発言をしていると感じ、ノってくるものです。

オンライン会議は、自分の声がきちんと届いているのか、こういう話でいいのかと、誰でも不安になるはず。相槌を巧みに駆使して、発言する人に寄り添うことが大切です。

『超ファシリテーション力』(アスコム)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

いかがでしたでしょうか。

今回は会議における悩みの対応策を3つほどご紹介いたしましたが、ファシリテーション力は会議だけでなく、複数人がいる席でも使えるテクニックです。

いい意見が引き出せず議論が停滞してしまったときの対処法や、トチったり言い間違えたりしてしまったときの振る舞い方、時間内にすべての議論を終えるコツ、話があちこちに飛び過ぎて迷走してしまったときの対処法などなど、日ごろ皆さんが抱える悩みが、ファシリテーション力を養うことによって解決していきます。

ぜひ参考にしていただき、実りあるコミュニケーションを実現し、そこからクリエーティブな発想をどんどん生み出して、組織やチームをあなたのファシリテーション力で活性化していただけたらと思います。

平石 直之 テレビ朝日アナウンサー

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ひらいし なおゆき

1974年生まれ、佐賀県鹿島市育ち。早稲田大学政治経済学部を卒業後、テレビ朝日に入社。報道・情報番組を中心に「地球まるごとTV」や「ニュースステーション」などでMCやフィールドリポーターを務め、全国各地を取材。04年から1年間、ニューヨーク支局に勤務。19年からABEMAの報道番組「ABEMA Prime」の進行を担当。ひろゆき氏との軽快なかけあいや、佐々木俊尚氏との熱い議論など、ファシリテーターとしての役割を存分に発揮。個性が強い出演者たちを巧みにまとめ上げる“アベプラの猛獣使い"として番組を大いに盛り立てている。Twitterアカウント@naohiraishi

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