日本人は「在宅死」の尊さを意外にわかっていない 医療技術に心配は無用、最後は自分の意思で

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意外と知られていない在宅医療、終末期ケアの現実とは?(写真:Komaer/PIXTA)
「自宅で、自分らしい最期を迎えたい」、「痛みを感じないで死にたい」――実は日本人の7割が自宅で最期を迎えたいと希望していることをご存じですか?
最前線で活躍する総勢22名の医師をはじめとした終末期医療の専門家への取材をもとに人生の最終段階を自宅で過ごすための方法をまとめた『在宅死のすすめ方 完全版 終末期医療の専門家22人に聞いてわかった痛くない、後悔しない最期 』より、Q&Aの一部を抜粋してお届けします。

ひとり暮らしの在宅死は年々増加

Q)ひとり暮らしでも在宅死を選ぶことができますか?

A)ひとり暮らしでも在宅死を選ぶことは、もちろん可能です。実際に、ひとり暮らしの在宅看取りは年々増加していますし、今後も増えていくとみられます。

ひとくちにひとり暮らしといっても、いくつかのパターンがあります。ひとつ目は、娘や息子、きょうだいなどの身内がまったくいないパターンです。2つ目は、身内はいるけれども、いっさい助けが得られないパターン、3つ目は、娘や息子、きょうだいなどが近隣、あるいは遠方に住んでいて、本人が身の回りのことができなくなったときに一時的に同居するなどの助けが得られるケースです。

意外かもしれませんが、本人が在宅死を望んだ場合に実現しやすいのは、最初の身内のいないひとり暮らしの人、あるいは身内がいても関与を拒んでいるケースです。訪問診療、訪問看護、介護保険サービスなどを組み立て、場合によっては近所の人や友人などにも協力してもらい、本人の希望を叶えるにはどうしたらよいのか考え、それを実行に移せばいいからです。身内のいないひとり暮らしの人なら、家族が介護に疲れて施設に入れようとしたり、急変したときに家族が慌てて救急車を呼んでしまうということも起こりません。

・独居でも在宅死を実現できる条件とは?

ひとつは、本人と身内が現在の病状をきちんと認識していて、在宅看取りを希望していることです。もうひとつは、本人や身内が、息を引き取る瞬間にひとりであることを受け入れられることです。たとえ家族が同居していても、そばに誰もついていないときや就寝中に息を引き取るというのはよくあることです。

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