おしゃれ好き父を介護・看取った彼女の「心残り」 インクルーシブファッション挑戦までの道のり

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アパレル大手のアダストリアが、障がいの有無や年齢、性別、国籍などにかかわらず、すべての人を包摂して孤立させない「インクルーシブファッション」に取り組んでいます。その背景を取材しました。写真は10月24日に開催された試着会の様子(写真:筆者撮影)
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世界人口の15%ちかく、約12億人の人々が、何らかの身体的、精神的もしくは感覚的な障がいがあるとされている。彼ら彼女らは、自分で洋服を着脱する難しさや、選べるデザインが限られてしまう悩みを抱えていることがある。

近年ファッション業界では、そうした悩みを解決する「インクルーシブファッション」という選択肢が増えている。インクルーシブファッションとは、障がいの有無や年齢、性別、国籍などにかかわらず、すべての人を包摂して孤立させないことを目指すファッションだ。

グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファームなどのカジュアルブランドを展開するアパレル大手・アダストリアも、2020年12月、新規プロジェクトとしてインクルーシブファッションサービスを立ち上げた。プロジェクト名は「Play fashion! for ALL」――。

プロジェクトを立ち上げた背景

「私たちは、誰もが同じじゃない。だからこそ1人ひとりの視点を大切にしたファッションにチャレンジしたいと思って、このプロジェクトを立ち上げました。本当の意味で、1人ひとりがファッションを楽しめる社会をつくりたい」

アダストリアのマーケティング本部・坂野世里奈さん。アパレルの販売員や大学職員などを経てアダストリアに中途入社した(写真:アダストリア)

そう話すのは、アダストリアのマーケティング本部・坂野世里奈さん。プロジェクトを立ち上げた発起人だ。会社ではビッグデータの分析担当で、服作りの経験がなかった彼女が、なぜインクルーシブファッションへの挑戦を決意したのか。きっかけは、坂野さんが父親の介護を経験したことにある。

坂野さんの父親は、2017年5月に64歳の若さで他界した。病気を患ってから20年以上、働いたり外出したりしながら過ごしていた。しかし他界する半年前に、寝たきりになってしまう。坂野さんは自宅で介護をしながら、やせ細っていく父親の姿を目の当たりにした。

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