茶道をたしなむ人が究極のおもてなしを学べる訳 お茶碗を回す作法に込められた相手への思いやり

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お客様はその想いに答えますが、正面のいちばん華やかな場所に口をつけては申し訳ないという謙遜の意味からお茶碗を回して口をつけるのです。

ただ、このやり方は流派によって違いもあります。

私がお稽古している裏千家では、「2回時計回りに回しお抹茶をいただいた後、口をつけた部分をふき、元の位置に2回反時計回りに回してもどす」というやり方をしています。難しいのは、お茶碗に柄がない時ですが、そのようなお茶碗が出てきた時は、差し出された面が正面であるとお考え下さい。

茶道には思いやりを学べる瞬間がたくさんある

このように、「お茶を一杯飲む」という単純な行為の中にも相手への想いを惜しみなく注ぐのが茶道です。そしてそういった行為の中には、「もてなす側だけではなく、もてなされる側も思いやりを注ぐこと」を推奨する「主・客」一体の考え方が反映されています。

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世の中はグローバル化し、さまざまな価値観を尊重し、慈愛に満ちた世界をつくることがわれわれビジネスパーソンには求められています。日本の中でもこれまでなかったような価値観を受け止め、前を向いて進んでいかなければならないシーンも増えているのではないでしょうか。

このような思いやりが重視される社会では、普段から相手のことを考え行動することが求められますが、茶道には思いやりを学べる瞬間がたくさんあります。

今回ご紹介した作法の他にも、茶道にはたくさんの心尽くしの詰まった作法があります。ちょっとした行為の中に、相手に対する想いを入れ込むことができる、だからこそ「究極のおもてなしは茶道にあり」なのだと思います。

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