茶道をたしなむ人が究極のおもてなしを学べる訳 お茶碗を回す作法に込められた相手への思いやり

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さて、そんな茶道ですが、グローバル社会となり、さまざまな外国の文化が入ってきたこともあり、昔に比べると若いビジネスパーソンが嗜んでいる様子を見かけることは少なくなりました。西洋スタイルの椅子・机・部屋着での生活やナイフ・フォークを使った洋風料理が身近なものになりました。

(写真:Fast&Slow PIXTA)

そのようなこともあり、茶道など日本文化に触れることが昔よりも難しくなってしまったように思います。

さらには、お茶会は「着物を着て、作法やルールを守って、お道具を買って」参加しなければならないといったように、「ハードルの高いもの」という間違った認識もされているように思います。少し寂しいですね。

しかし、茶道は本来そのように形式ばって行うものではありません。

拙著『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』でも詳しく解説していますが、古くは武士が心を整えるためにお茶室に入り、お抹茶を楽しんでおりました。

そして松下幸之助は40歳を過ぎてから茶道を学び、その世界の奥深さに取りつかれて、お茶会を催すようになりました。朝一碗のお茶により精神を統一し、お客様へのおもてなしの心を学び、素直な心はビジネスに活かして、成功をおさめたそうです。

一碗に込められた想い

そうはいっても「どこから手をつければよいかわからない」という方がいらっしゃると思いますので、今回は知っておくと便利なお茶の作法をご紹介いたします。

私のお茶室にいらっしゃるお客様の質問でもっとも多いのは「どうしてお茶碗を回すのですか」というものです。2回お茶碗を回すことをご存じのお客様もいらっしゃるのですが、なぜそうするのかわからない方が多くいらっしゃいます。

お茶碗にはそれぞれ正面といわれる場所があります。

絵柄のあるお茶碗をくるくる回してみると、一番華やかに絵付けされている部分があり、そこが正面です。

亭主がお抹茶をふるまってくれる際、一番華やかな場所がお客様に見えるようにあえて正面を向けて置きます。それはお客様への尊敬の念と、お茶碗の美しさを堪能してほしいという願いの表れです。

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