人生100年時代を見据える人が採るべき5つの行動 「ライフシフト2」が伝える「本当に大切なもの」

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② 将来を見据える

いま何歳だったとしても、私たちに残されている人生は、過去のどの世代よりも長いということになるに違いない。したがって今後は、未来を重んじた選択をし、先々に大きな影響をもたらす行動を慎重に選ぶ必要がある。

③ 「ありうる自己像」を意識する。

人生が長くなれば多くの移行を経験することになり、その結果、「ありうる自己像」の選択肢は大きく広がることになる。そこで重要なのは、その恩恵に浴するために、それらの選択肢をじっくり検討し、選択肢を早く閉ざしすぎないこと。

④ 可変性と再帰性を意識する。

どのように年齢を重ね、どのように人生を構成し、どのように時間を割り振るかは、画一的に決まったものではなくなると著者らはいう。人生の可変性が高まることにより、いま取る行動は再帰性を帯びるようになるのだ。すなわち、現在の自分の行動が、将来の自分に返ってくるということ。いいかえれば、将来どのように老い、どんな将来の選択肢を手にするかは、いま、どのように行動するかによって決まるのである。

⑤ 移行を受け入れる

自発的な移行であれ、不本意な移行であれ、人生を大きく変えることはときに難しいものだ。今後、そうした移行の機会がますます増え、移行の経験がマルチステージの人生の節目になるという。

これらは個人の行動指針だが、人生を通して人間としてどのくらい花開けるかは、他の人たちとの関係にも大きく左右される。人はひとりでは社会的開拓者になれないからだ。そうでなくとも、人生において人との関係が大きな意味を持つことは間違いない。

みんなで力を合わせて変革を

しかも、あるべき人間関係は放っておいて生まれるようなものではないから、互いに対して責任を負い、信頼関係に基づいたオープンな会話を重ねる必要があるわけだ。

また当然ながら、家庭をはじめとするさまざまなコミュニティーで、世代間の良好な関係を育むことは非常に重要だ。さらには長く移行の多い人生においても欠かせない要素として、生涯にわたる人間関係を織り込むことも不可欠である。

さらにいえば著者は、みんなで力を合わせ、政府や企業や脅威・危機感に変革を求めるべきだと主張する。

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