景気回復が顕著な「中国」とデフレ続く「日本」の差 なぜ中国の経済は立ち直りが早かったのか
韓国は、2020年の1~3月期、4~6月期は成長率がマイナスでしたが、その後は、7~9月期が8.8%、10~12月期が5.0%、2021年1~3月期が7.1%と、こちらも経済が回復し、景気がよくなっていることがわかります。
シンガポールは、2020年は4四半期とも成長率がマイナスになりましたが、2021年1~3月期はプラス1.3%、4~6月期はプラス14.3%になり、なんとかトンネルを抜けて、今後、景気がよくなる兆候があります。
次に、「消費者物価 前年比」を見ると、中国は2020年11月、2021年1月、2月と、マイナスになっている月があります。中国で物価がマイナスになるのは非常にめずらしいことです。ただ、2021年3月以降はプラスになっています。4月、5月、6月は、台湾、韓国、シンガポールは、いずれも物価が約2%上昇しています。アメリカでも、欧州でも、中国、台湾、韓国、シンガポールでも、物価が上昇しているのです。
これだけ世界的な物価上昇局面であるにもかかわらず、日本だけは長らく物価が下落し、最近でも物価上昇力は弱い。日本の経済の「地力」が弱いことが原因です。
アメリカが中国を「敵視」する理由
中国の「貿易収支・通関」は、2018年は3509億ドルの黒字、2019年は4211億ドルの黒字、2020年は新型コロナがあったにもかかわらず5269億ドルの黒字となっています。
アメリカの貿易サービス収支の赤字額は、およそ年5000億ドル。アメリカの貿易サービス収支の赤字額が、中国の貿易黒字額とほぼ同じなのです。そして、アメリカの貿易赤字額のうち、約3000億ドルが対中赤字です(日本は約600億ドルです)。
アメリカのトランプ前政権が、中国との貿易不均衡を問題視して、中国政府に圧力をかけていたのは、このためです。民主党のバイデン政権に変わっても、アメリカの対中国強硬姿勢が変わらないのには、こうした経済的理由もあります。
ただ、「世界の工場」と言われたのはもう昔のことで、現在は賃金が上がり、ミャンマーやベトナム、バングラデシュなどに工場は移りつつあり、大消費地としての中国の魅力が高まっています。自動車も、アメリカより多い、2500万台程度が毎年販売されています。今後は、日本の1980年代もそうでしたが、うまく内需中心の経済に転換できるかどうかが注目されるところです。
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