ジェネリック医薬品「安くても安全」といえる根拠 超高齢化社会に向かう日本には必要不可欠な薬

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特許の有効期間が切れると、特許をもっていなかった製薬会社でも同様の薬を作ることができるようになります。ここで、特許の切れた薬を基に作られるのがジェネリック医薬品です。

すでに薬の安全性が確認され、製造方法も確立されているため、2〜3年ほどで開発することができます。新しく薬を開発するよりもコストが低いというわけです。そのため、ジェネリック医薬品は先に開発された同じ成分の薬よりも安価になります。

先に開発された薬との違いは?

それでは、ジェネリック医薬品と先に開発された薬の違いは何でしょうか。それは、薬の飲みやすさや誤飲の起こりにくさです。成分がすでに開発されている分、より飲みやすいものとなるよう、形に改良が加えられているものがあります。

日本におけるジェネリック医薬品の使用率は年々増加しています。使用率は、先に開発された薬とそのジェネリック医薬品が処方された数のうち、ジェネリック医薬品が処方された数が占める割合です。2020年9月時点では約79%。これからも普及の余地がありそうです。

これから日本が超高齢化社会に向かう中で、国全体の医療費が増加することが予想されています。

(出典:『これってどうなの?日常と科学の間にあるモヤモヤを解消する本』)

ジェネリック医薬品を使うことは、一人一人の負担の軽減につながるだけでなく、国全体の医療費を抑えることにもつながります。

『これってどうなの?日常と科学の間にあるモヤモヤを解消する本』(翔泳社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

普段飲んでいる薬は、生活の視点から見ると健康を支えてくれるものであり、研究開発の視点からみると研究開発の成果であり、国の政策の視点からみると医療費につながります。同じ一つの薬も、生活、科学、政策と、見方によってさまざまな側面が見えてきます。

かきもち サイエンスライター

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かきもち / Kakimochi

北海道大学理学院 物性物理学専攻修了。北海道大学科学技術コミュニケーション教育研究部門CoSTEPにてサイエンスライティングを学ぶ。2018年からイラストレーター・ライターとして活動を開始。

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