火星で発見された「小さな石」が世界を沸かせる訳 火星に生物が存在していた可能性は?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらにパーサヴィアランスは、火星の土壌を地球に持ち帰るサンプルリターン計画の一翼を担っています。まず、パーサヴィアランスは火星の岩石を採取し、チューブ状の容器に密封しました。現在は車体内に保管されていますが、いずれ、火星の表面に置かれる予定です。この容器は、回収用の探査車、帰還ロケット、周回機を利用して地球に送られます。

この探査車、帰還ロケット、周回機はともに2026年に打ち上げられ、2028年頃に火星に到着することになっています(2021年現在の予定)。

火星と生命の関係を解き明かす

到着した探査車は、パーサヴィアランスが残した容器を拾い集め、カプセルにまとめます。そのカプセルを帰還ロケットに載せ、火星の地表から打ち上げることで、火星上空の周回機へとカプセルが渡るようにするのです。

そして、カプセルを載せた周回機は、火星の軌道を離れ、パーサヴィアランスが採取したサンプルを地球へと送り届けます。今回のサンプルを地球に持ち帰ることができれば、最新鋭の機器で詳しく分析できるので、火星と生命の関係がさらに解き明かされることになるでしょう。

サンプルリターン計画で使うカプセルのコンセプトモデル(画像:NASA/JPL-Caltech)

さて、火星以外についてもこの数十年で研究が進み、宇宙には生命が存在できそうな天体がたくさんあることがわかってきました。

『生き物がいるかもしれない星の図鑑』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

宇宙人や地球外生命体はフィクションの中で終わらず、科学の手が届くものになったのです。太陽系内によく目を向ければ、生命存在の可能性が語られる天体がさらにあることに気づくでしょう。

そして地球から遠く離れた、太陽系の外にも、生命の存在が期待される惑星はたくさんあるのです。そう考えると、秋の夜長に見上げる空も、今までと違って見えてきませんか?

荒舩 良孝 科学ライター・ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あらふね よしたか / Yoshitaka Arafune

1973年、埼玉県生まれ。東京理科大学在学中より科学ライターとしての活動を始め、ニホンオオカミから宇宙論まで、幅広い分野で取材・執筆活動を続けている。著書に『宇宙と生命 最前線の「すごい!」話』(青春出版社)、『5つの謎からわかる宇宙』(平凡社)、『思わず人に話したくなる 地球まるごとふしぎ雑学』(永岡書店)、『マンガでわかる超ひも理論』(SBクリエイティブ)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事