韓国の若者が「イカゲーム」に共感しかないワケ 韓国の超絶「格差社会」に何を感じているのか

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「イカゲーム」は、40代のギャンブル中毒者、ソン・ギフンを主人公にしている。彼は、娘に誕生日プレゼントを買ってやることも、年老いた母親の医療費を払うこともできない。

ある日、彼は富裕層を楽しませために運営されるプライベートイベント「イカゲーム」への参加を提案される。3800万ドルの賞金を手にするためには、韓国の伝統的な子ども向けのゲームを6回勝ち抜かなければならない。失敗は死を意味する。

456人の出場者は、韓国人が抱く多くの不安に直接訴えかける。1人は、国内最高の大学であるソウル大学の卒業生で、顧客の資金を不正に処理したとして指名手配されている。もう1人は脱北者の女性で、弟の面倒を見ながら母親の脱北を手伝わなければならない。ほかにも、上司に賃金の支払いを拒否された移民労働者が登場する。

暗号資産や宝くじに希望を託している

これらのキャラクターは、社会進出のチャンスを見出せない韓国の若者の共感を得た。韓国では「泥のスプーン」世代と呼ばれる彼らの多くが、暗号通貨や宝くじなど、手っ取り早く金持ちになる方法に夢中になっている。韓国には、世界有数の仮想通貨市場もある。

番組内の賞金のように、暗号通貨は「人々に一瞬で人生を変えるチャンスを与えてくれる」と、会社員のクーは言う。コロナ禍で前の職場が倒産したクーは、韓国人が手っ取り早くお金を稼ぐことに夢中になっている理由として、お金を稼ぐことの難しさを挙げている。

「もし、現実に『イカゲーム』が開催されたら、どれだけの人が参加するだろうか」とクーは言う。

(執筆:Jin Yu Youngk記者)

(C)2021 The New York Times Company

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