米国の経済成長源「イノベーション」を生む2要因 「人口増」だけではない、他国を突き放す強み

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もちろん、その国に人が呼び寄せられる魅力がなければ、いくら移民政策を積極的に推し進めても無駄になります。移民が集まるということは、それだけ米国に魅力があるからにほかなりません。

魅力のひとつは教育です。とくに高等教育において、米国の右に出る国はないでしょう。世界の留学生に人気の大学を考えても、米国にはスタンフォード大学、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)など、世界的に名高い大学がたくさんあります。教育水準が高いだけでなく、そこに集まっている学生が将来、世界のエリートになっていくため、そこで得た友人は貴重な人脈になります。そのため、政治や経済の分野でトップを目指す優秀な学生が、どんどん米国に集まっています。

米国は「相乗効果」でより一層強くなる

冒頭でも述べましたが、米国の強さの基盤は人口増です。それに加えて、イノベーションを促すうまい規制、移民政策、そして世界に冠たる高等教育があるからこそ、「一旗揚げよう」という優秀な人たちの多くが、世界中から米国を目指します。すると、当然人口はさらに増加し、イノベーションも起こりやすくなります。米国経済の強さを裏付ける要素が、互いに良い影響を及ぼし合い、より一層米国経済を強くしていくのです。

米国は間違いなく世界最大の経済大国であり、文字どおり、世界経済の牽引役でもあります。その国の経済が、これからも成長ののびしろがあるのですから、これほど魅力的な国はないといえるでしょう。みなさんも、ぜひ米国経済、そして米国株に注目してみてはいかがでしょうか。

松本 大 マネックスグループ会長

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まつもと おおき / Oki Matsumoto

1963年埼玉県生まれ。1987年東京大学法学部卒業、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券入社。1990年ゴールドマン・サックス証券に転じ、1994年史上最年少の30歳で同社のゼネラル・パートナーに就任。1999年ソニーとの共同出資でマネックス(現マネックス証券)を設立。25年間、社長・CEOとしてマネックスを牽引し続け、2023年6月より現職。経済審議会委員、 東京証券取引所その他複数の上場企業の社外取締役を歴任。現在はルビ財団ファウンダー・評議員、マスターカード社外取締役、ヒューマン・ライツ・ウォッチ国際理事会副会長、日本将棋連盟理事も務める。

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