ヒロシマがあぶり出す密集地の巨大リスク 専門家は「3・11より深刻」と危機感

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木々や岩を含む泥流に埋まってしまった自動車

実は、阪神・淡路と3・11には共通点がある。被災人口と全壊した建物数だ。

同じく防災研究を先導する名古屋大学減災連携研究センターの福和伸夫センター長が指摘するように、阪神・淡路のあった兵庫県の人口は約555万人、東日本の東北3県は約570万人と、ほぼ同じだ。それぞれの震災で、死者・不明者数こそ6400人余りと2万1000人余りとで開きはあるが、全壊した建物は約10万棟と12万棟であまり変わらない。

南海トラフの想定エリアの人口は巨大

最大の被災地域である安佐南区八木3丁目地区。泥流は家、自動車などを次々になぎ倒していった

そして、来るべき南海トラフ巨大地震の想定エリアにはこの10倍以上の人が住み、超高密度の住宅地は無数にある。東北のような津波被害も、広島のような土砂崩れも「同時多発」することは避けられない。

広島の惨事を悼み、早期の復旧、復興を願いながら、今一度、都市に住むリスクと備えを考え直すべきだろう。
 

関口 威人 ジャーナリスト

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せきぐち たけと / Taketo Sekiguchi

中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で環境、防災、科学技術などの諸問題を追い掛けるジャーナリスト。1973年横浜市生まれ、早稲田大学大学院理工学研究科修了。

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