日経平均、7月高値1万5759円に再挑戦 【今週の相場】必要なのは、「明るく前向きな忍耐」
それならば、次は内憂、つまり「国内経済のもたつき」が注目点となろう。国内経済統計の弱さは、外国人投資家のうち、「個別銘柄より経済統計を重視し、日本全体について売買を判断する投資家層」の間に、懸念を広げていた。
先週発表の7月分の小売統計は、やや持ち直しを見せた。たとえば19日に発表された全国百貨店売上高(前年比)は、3月:25.4%増→4月:12.0%減→5月:2.2%減→6月:2.8%減→7月2.1%減と、7月はマイナス幅が縮小した。
スーパーやコンビニも同様だ。6月分の悪化の背景には、ゲリラ豪雨や低気温による夏物商戦の不振といった、一時的な要因が大きく、そもそも国内消費動向を心配し過ぎたと言える。ただし、7月分でも前年比がまだプラス転換できず、天候に左右されるほど消費の足腰が脆弱だ、とも言える。外国人投資家の懸念は和らいだ可能性があるが、完全に払しょくされてはいないだろう。
「政策バズーカ」は、期待できない
景気の足元の弱さからは、経済政策の発動を期待したくなるところだ。9月3日とみられる内閣改造を過ぎれば、追加の政策策定が急がれよう。
とは言っても、昨年の「異次元の緩和」のような政策は、単一で市場心理に影響を及ぼすような大きな策であり、「政策バズーカ」と言える。ところが、これからの主役となる成長戦略は、個々の産業向けの策を、地道に積み上げていくしかない。策の一つ一つが効果を表し、個々の企業収益が立ち上がることを、辛抱強く待つ必要があるのだろう。悲観視は無用だが、必要なのは「明るく前向きな忍耐」だ。
今週は、内外で大きな材料がない。外患が消えたかのような海外株価や為替相場の振る舞いが持続すれば、日経平均も7月末のザラバ高値1万5759円に挑戦する展開が期待できる。
9月以降に経済政策が策定され、その後に政策効果をじっくり見極めながら、緩やかに株価が上昇するという大きな流れの中に、現局面を位置付けたい。今週の日経平均の見通しは下値が1万5300円程度、上値は1万5800円程度と予想する。
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