料理が苦手な人、自信がない人に限って、日頃からやっていない「ある重大なこと」、それは何かというと「味見」です。
「味見」こそ、「料理がうまくなるための最短の近道」なのですが、実は意外にも多くの人が、「調理の過程で、驚くほど味見をしていない」ことに気づいたのです。
私は全国各地で料理教室などを開催してきましたが、そういえば、そこでも「味見をしない人」が大勢いました。
みなさん味見をしないから、こちらから「味見が大事ですよ」「調味料を入れるごとに味見をしましょう」と働きかけていましたが、「レシピどおりにやっていけば、おのずとおいしい料理ができるのだろう」と信じて疑わない人が、思いのほか多いのです。
しかし、当たり前ですが、「人の味覚」「味の好み」は当然、人によって異なるわけです。「素材の味が生きる薄味」が好きな人もいれば、「濃い味じゃないと満足できない」という人もいます。同じ家族でも、「お父さんは濃い口派」など、いろいろだと思います。
だから、レシピどおりに作ったとしても、途中途中で「味見」を省略してはいけないのです。
「味見」をしなければ、そもそも「出来上がりの味」がわからないし、「自分の好み」に合わせた調節もできません。
レシピはあくまで、より多くの人が満足できる「最大公約数の味」を再現しているものなので、まったく「味見」をしなければ、「自分にとっておいしい味」に調整できなくても、ある意味、仕方がないのです。
「調味料を1つ加えるたびに味見をする」のがコツ
では、「どうやって味見をすればいいのか」、味見の仕方はわざわざ紹介するまでもないでしょうが、煮物や汁物などを作るときは、小皿に少量をとってなめてみるだけです。私などは自宅では、お玉ですくってそのまま味見したりしていますが……(マネしないでください)。
肉料理、魚料理なら、味付けの過程で、一部を少し食べてみる、たったそれだけです。
コツは、「調味料を1つ加えるたびに、味見をすること」です。そうすれば失敗してもカバーしやすいし、「調味料同士の味の掛け合わせ」もわかってきます。
味見をしてみて、「何かちょっと一味足りない」というときがありませんか? そういうときは、だいたい「塩」が足りないのです。
「何かが足りない」「味がボケている」と感じたときは、ぜひひと塩、入れてみて、「味の変化」を確かめてみてください。
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