わが子が「問題だらけ」に見える親に伝えたい危険 親自身の「色眼鏡」に問題の本質がある

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では、具体的にどうするといいでしょうか。

(1)子どもの長所を3つあげてください。その3つの長所を言語化して、伸ばしてあげてください。

→長所は、自分では気づかないことが多いです。なぜなら、意識しなくても自然とできる事柄だからです。ですから長所は指摘してあげないと本人は気づきません。一方の短所はというと、自分でよくわかっています。その短所を指摘されるから腹が立つのです。自分の長所に気づけば、短所を自ら是正してみようかと思う確率がぐっとあがります。これは人材育成の世界では、とても重要な原則とされています。

(2) 親は自分だけの時間を作り、自分の心を満たす

→子どもの一挙手一投足が気になり、しかもそれは短所や欠点ばかりであるとしたら、親御さんの心も日々不満に包まれている可能性があります。人は自分の心で感じていることと同じものを見つけるといいます。日々忙しい中でも、「忙中閑あり」と言われるとおり、短くとも自分だけの時間を作り、自分の心を満たすことを考えてみてください。

(3) 勉強以外の話題でコミュニケーションをとる

→現在の猪俣さん親子は信頼関係が弱くなっていると考えられます。信頼関係が築かれなければ、今後親のアドバイスを受け入れなくなることは想像にかたくありません。

大事なことは、コミュニケーション頻度を上げることです。ただし、テーマは「勉強以外」にし、気軽に雑談をすることです。上下関係が生じやすいテーマでは信頼関係は作られません。支配・被支配の関係となってしまうからです。そこからは信頼関係は生まれにくいのです。

3カ月で180度子どもの行動が変わる

以上、3つのうち1つ以上を3カ月間、行ってみてください。「短所ばかり見える色眼鏡」をかけていた方から、180度子どもの行動が変わったという報告が届いているのがこの3つの方法です。

筆者の経験上は、実際は3カ月もかかりませんが、期間を意識しなければ1カ月も続かないため、3カ月を意識することをおすすめしています。

家庭でも、職場でも、立場が強い人から行動を変えていかなければ、関係性はいつまでも変わりません。立場が弱い人から変わるということは極めて難しいものです。

もちろん実行は容易ではありませんが、「できるか、できないか」ではなく「やるか、やらないか」と決意することで、改善する可能性は高まります。ぜひ、参考にしてみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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