Netflixに共感する人が爆発的に増えた納得の訳 社会課題とビジネスをどう両立させたらいいのか

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つまり、社会課題に向き合ったところで、事業機会として十分な収益が生み出せないのではないかという問題です。なぜ、これを解決するのが難しいのか。それは多くのステークホルダーを巻き込みながら事業として成立させ、最終的には消費者の賛同と株主の賛同を得ていくことが難しいからにほかなりません。

私が相談を受けている企業でも、既存のビジネスモデルや特定のテクノロジーを前提にしすぎている案件が多くあります。それは、社会課題の解決にそれらを使っていこうという視点に終始してしまっており、鶏と卵が逆になっていることが多いからではないかと思います。

必要なステークホルダーを巻き込める共感があるか

ビジネスモデルやテクノロジーはいったん横に置いておいて、社会課題を解決するにはどうすればよいかというシンプルな問いこそが出発点であるべきなのです。この発想に立てば、自社だけで解決できる問題でないことも多く、ステークホルダーをより多く巻き込んでいくという視点が重要になってきます。

『サステナブル資本主義 5%の「考える消費」が社会を変える』(祥伝社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

社会課題を解決するために、必要なステークホルダーを巻き込めるような共感がそこにあるのか、そのような共感が非連続的に拡大する仕組みがあるのか。これらを満たす事業モデルであれば、長期的にも社会課題に挑戦し続けながら、徐々に消費者と社会の共感を高めていくことができるでしょう。

持続可能な社会を実現するという課題に挑戦するには、ステークホルダーを巻き込めるような、社会的コスト、利害関係をシンプルに説明でき、シンプルに消費者に届くような価値訴求を考えることが第一だと思います。逆に言えば、消費者が共感しづらいインセンティブや利害関係が存在してしまうと、社会的コストを乗り越えるような共感はなかなか十分に得られないのです。

村上 誠典 シニフィアン共同代表

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むらかみ たかふみ / Takafumi Murakami

1978年、兵庫県生まれ。シニフィアン株式会社共同代表。東京大学・宇宙科学研究所(現JAXA)を経て、ゴールドマン・サックス証券に入社。東京・海外オフィスにてM&A、資金調達、IR、コーポレートファイナンスの 専門家としてグローバル企業の戦略的転換を数多く経験。2017年に「未来世代に引き継ぐ産業創出」をテーマにシニフィアンを創業。独立系グロースキャピタルを通じたスタートアップ投資や経営支援、上場 /未上場の成長企業向けのアドバイザリーを行う。

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