ヤクルト高津臣吾監督「去年と違う」強気な理由 今年は心の底から燃えるゲームが続いている

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――結果的に選手たちには「勝利に対する執念」「一勝の重み」を痛感させる出来事になったと思いますが、いかがでしょうか?

高津 そういう部分もあるのかもしれないけど、僕の思いとしてはちょっと興奮しすぎて、「選手の前で不格好な姿を見せてしまったな」という反省はあります。いくら納得がいっていなくても、審判に対する敬意を払わなければいけなかったなという思いもありますね。

「言葉」は武器となり、力となる

――生前の野村克也さんは「選手は監督の行動をよく見ている」と話していました。ミーティングでの「言葉」、審判団への猛抗議、選手への説明という「言動」など、監督は選手に対する発信力をとても意識されているように思います。監督は「言葉」というものをどれぐらい意識されているのでしょうか?

高津 僕は、プロ野球の世界に入って以来、言葉で育てられたと思っていますから、言葉の重要性はもちろん強く感じているし、身体も心も動かすことができるのは「言葉」だと思っています。

最後まで応援よろしくお願いします

――つまり、入団時の監督であり、「言葉の人」でもあった野村克也さんの影響を強く受けているということですね。

高津 そうです。もちろん、野村監督以外にもチームメイトだったり、歴代の指導者だったり、いろいろな人たちとの言葉のやりとりの影響を受けているけど、野村監督の影響はとても大きいし、「野球人・高津臣吾」の大半は言葉でできていると言ってもいいと思います。

――「言葉」に関して、野村監督から教わったこと、学んだことはどんなことですか?

高津 野村監督は本当に言葉を大切にされていた方でした。僕みたいにペラペラとしゃべるのではなく、別に意識しているわけじゃないと思うけど聞いている人を引きこませる話をされる方でした。僕が監督になったときも、「野村さんのように言葉を大切にする監督になろう」と思いました。

――言葉も武器であり、力になるということですね。

高津 言葉一つで人をやる気にさせたり、逆にダメにさせたりします。軽はずみなひと言が取り返しもつかないことになるかもしれない。ほんのひと言が人生を好転させるかもしれない。だから、言葉は武器であり凶器であり、意識して使わないといけないんだと思います。残り30試合を切った今だからこそ、その思いは強くなっています。

(インタビュアー:長谷川晶一)

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アルファポリスビジネス編集部

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