銀行の増え続ける有価証券運用は苦慮の証
今事務年度から大手行の信用リスクや市場リスクのノウハウを持つ人材を集約。業態を超えて一元的なモニタリング体制を敷くことで、高度化、複雑化するリスク管理を地銀などにも展開できるとしている。
貸し出し需要が伸び悩む中、地銀は資金運用を有価証券にシフトさせている。東京商工リサーチが国内107銀行の2021年3月期決算を集計したところ、預金残高に対する有価証券残高の比率を表す「預証率」は25.8%と2年連続で上昇した。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の資金繰り支援策で現金・預け金も急増しており、東京商工リサーチは「銀行が資金運用に苦慮している実態を浮き彫りにした」と9月28日付のリポートで述べている。
利回り追求の動きは有価証券に限らず、物件から得られるキャッシュフローを返済原資とする不動産ノンリコースローンの増加など、融資の分野でも見られるという。屋敷氏は、個別商品のリスクではなく、「きちんと分析できているかが着眼点」として、リスクを管理・分析する枠組みができているかに焦点を当てていくと述べた。
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著者:萩原ゆき、浦中大我
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