金融庁が業態超えた横断的リスク把握を強化 低金利環境下でリスク資産への投資増加に対応

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金融庁は今事務年度(2021年7月ー22年6月)から大手銀行に加え地方銀行や生命保険会社の信用・市場リスクを「業態を超えた共通課題」として横断的なモニタリングを開始する。低金利環境下で利回りを追求する金融機関がリスク資産への投資を増やしているためだ。

金融庁の屋敷利紀審議官はブルームバーグの取材で、金融機関の有価証券運用では国債の比率が低下する一方、絶対額は多くないものの証券化商品や私募債、私募REIT(不動産投資信託)なども増加しているとの認識を示した。

金融庁・屋敷審議官Source: Financial Services Agency

その上で、現在の市場環境下では「これまでは取らなかったリスクを取らざるを得なくなっている」とした上で、「誰もがノウハウがあるかといったらそうではない」と指摘。投資実行時の審査基準の適切性や運用段階のリスク管理について注意深くモニタリングする必要があると述べた。

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