自分の声が嫌いな人は「自己肯定感も低め」な理由 「本来の声」を出すためのエクササイズも紹介

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どうでしょうか、私たちは口を大きく開けていくときに空気を吸い、口を元に戻すときには吐いていますね。

目も同じで、目を大きく見開いていくときには空気を吸い、目を元に戻すときには吐いています。

開けるときに吐いて、閉じるときに吸う、というような逆の呼吸は難しいのです。

なぜこのような呼吸になるのかというと、顔の筋肉の動きと横隔膜がつながって連動しているからです。

声の豊かさと表情の豊かさはつながっている

横隔膜は肺のすぐ下にある筋肉です。

肺は自分で大きくなったり小さくなったりできません。周りの筋肉が動かしています。その周りの筋肉のひとつが横隔膜です。

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顔の筋肉が動くと、横隔膜は下がります。口を大きく開けたり、目を見開いたりすると、横隔膜が下がるということです。

横隔膜が下がると、肺は大きく膨らまないといけません。中に空気を取り込まないと膨らむことができないため、空気を吸うことになります。

顔の筋肉が元に戻ると、横隔膜も元に戻り、上がります。

横隔膜が上がると、肺は小さくしぼむことになります。中に空気が入っていると小さくなることができないので、中にある空気を吐き出すことになります。

つまり、表情が豊かな人は、呼吸が深いということです。

声の豊かさと呼吸はつながっているので、表情が豊かな人はよく響く声が出やすいのです。

つまり、声を整えることによって、声自体のうそ偽りの響きがなくなると共に、表情が豊かになるという相乗効果で、相手に好印象を与えることができ、いいコミュニケーションをとることができるようになるのです。自己肯定感とともにコミュニケーション力もアップさせたい人は、ぜひ「声」の改善に取り組んでみてください。

村松 由美子 一般社団法人感動ヴォイス協会代表理事

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むらまつ ゆみこ / Yumiko Muramatu

一般社団法人感動ヴォイス協会代表理事。感動ヴォイスクリエイター。伝え方コンサルタント。専門健康心理士。
大学卒業後、企業で広報・IRを担当。その後、フリーアナウンサーに転身。2009年、桜美林大学大学院に入学し、身体心理学における声とメンタルの関係を研究。ヴォイササイズ(声のエクササイズ)で声が変化すると同時に、メンタルアップと印象アップの両方の効果が出ることを、世界ではじめて実証する。2011年、その研究結果を論文にまとめ、ヨーロッパと日本の健康心理学会で発表。2014年、一般社団法人感動ヴォイス協会を設立。
現在は、企業研修講師、セミナー講師として全国で活動中。

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