中国で怒濤の攻勢、TPR(帝国ピストンリング)が開けた風穴

中国で怒濤の攻勢、TPR(帝国ピストンリング)が開けた風穴

中国の安慶空港から自動車に乗り約15分。安徽省安慶市内の工業団地に、帝国ピストンリング(TPR)が出資する企業群が工場を構える。

ゴミ一つ落ちていないピストンリングの工場内は、日本に比べればやや型遅れだが、新型の生産設備が導入されている。一部をいまだ手に頼るものの、ほとんどの生産は自動化された近代的な工場だ。

自動車用エンジンの重要部品の一つがピストンリング。エンジンブロックのシリンダー内をピストンが上下運動して推進力が生まれる。このピストンの上下運動をスムーズに行う役割が、たった3本のピストンリングだ。

わずか数グラムの鉄輪なのだが、一つのリングには1000分の1ミリメートル単位での精密さが求められる。各社で仕様が異なるため、2007年7月、国内首位のリケンの柏崎工場が中越沖地震で被災した際には、代替が効かず、全自動車メーカーが生産停止に追い込まれたほどだ。

世界のピストンリング市場は独マーレと米フェデラル・モーグルを筆頭に、日本のリケン、TPR、日本ピストンリング(日ピス)の5社で、世界生産の9割以上を占めている。

00年代に入ってからは提携も進み、独コルベンシュミットが参戦。その結果、マーレとリケン、フェデラル・モーグルとTPR、コルベンシュミットと日ピスという、世界3グループ体制が固まった。

今期、リケンの売上高は710億円と、TPRに200億円近い差をつける。が、営業利益ではリケンが45億円なのに対し、TPRは前期比2・5倍増の49億円と、両社肩を並べる見込み。TPR好調の秘密はひとえに、中国での飛躍にある。

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