双子パンダ「5組」も育てた和歌山の施設の凄み 17頭がアドベンチャーワールドで生まれ育った
17頭が生まれ育った
アドベンチャーワールドでは、これまでに2頭の母親が計12回の出産で18頭のパンダを生み(死産の3頭を除く)、17頭が無事に育っている。梅梅(めいめい)が生み育てたのは7頭で、うち4頭が双子。良浜(らうひん)は10頭を生み育て、うち6頭が双子だ。
双子のパンダが生まれる確率は約45%と珍しくない。アドベンチャーワールドでは、12回の出産のうち9回が双子だった。双子でないのは、雌の良浜、結浜(ゆいひん)、楓浜(ふうひん)だけだ。
なお、三つ子のパンダが生まれる確率は非常に低いが、中国・広州では2014年に生まれ、3頭とも無事に育っている。
パンダの母親は、双子を生んでも1頭しか育てないのが一般的だ。見放されたほうの赤ちゃんが人の手を借りずに自力で生き延びるのは難しい。
そこで「入れ替え保育」を採用する。母親が1頭を育てている間に、スタッフがもう1頭を預かって保育器などで育てる。その後、母親とスタッフの間で赤ちゃんを入れ替える。これを繰り返すことで、2頭とも母親に育てさせ、交互に母乳を飲ませる方法だ。
アドベンチャーワールドで生まれた双子たちもこの方法で育てたが、実は梅梅が2003年9月8日に生んだ双子の雄の隆浜(りゅうひん)と秋浜(しゅうひん)には採用しなかった。梅梅が2頭ともしっかり抱いて育てていたためだ。この2頭は日本で初めて生まれた双子パンダでもある。
梅梅は、隆浜をしっかりと抱いたまま、秋浜を生んだ。アドベンチャーワールドによると、パンダは1つのことしか考えられない動物だが、梅梅は2頭の赤ちゃんを認識して腕に抱き、母乳を与えた。双子が生後1週間ほどになるまで、梅梅はほぼ同じ態勢でずっと座り、双子を抱き続けていたそうだ。
2頭を抱いていると、梅梅は身動きがとれない。そこで飼育スタッフは、好物のリンゴや、一口サイズに切った竹の葉などを梅梅の口元まで運び、栄養をとってもらった。育児中は、特別にパンダ専用の人工乳「パンダミルク」も与えた。
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