「水ETF」投資がやたら注目されるようになった訳 気候変動の影響が反映され次代の投資テーマに
ちなみにETFではないが、水をテーマにした投資信託も発売されている。簡単に紹介しよう。
運用会社は「三菱UFJ国際投信」、現在SBI証券や楽天証券、PayPay銀行が扱っている。主として、日本を含む世界の水関連企業の株式に投資する投資信託。水ビジネスから計上される売上高が、全体の過半数を占める企業を中心に組み入れられており、そこに水関連分野で高い技術力を持つ企業が含まれている。
ファンドのトータルリターンを見ると、1年で47.08%(8月末現在)、3年でも12.29%(同)、日本の投資運用会社が運用しているファンドであるため、組み入れ銘柄の中には日本企業が多く、ベスト3を見ると荏原製作所、オルガノ、酉島製作所となっている。
世界中で「SDGs関連」のETFにも資金が集中?
水ETFと並んで、投資家の注目を集めてきたのが冒頭でも紹介した「SDGs」だ。水ETFと並んでSDGs関連のETFも、このところ大きなパフォーマンスを上げている。SDGsの理念に基づくビジネスを行っている企業を集めたファンドで、アメリカのナスダック市場には、このSDGsを基本理念とするETFが上場されている。こちらも、簡単に紹介しておこう。
SDGsの理念に沿った世界の企業の株価を指数化した「MSCI ACWI サスティナブル インパクト指数」という株価指数に連動するように設定されている。21年3月16日には50.42ドルだった株価が、9月初旬には100ドルを超えている。水ETF同様に、投資家の注目を集めているといっていいだろう。
ちなみに、日本国内にSDGsの名がつくETFはないが、SDGsの概念に共通する「ESG」関連のETFは数多く上場されている。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を合わせたもので、ESG関連のETFに投資するのも1つの方法といえるだろう。
新型コロナウイルスによる経済の落ち込みを防ぐために、各国の中央銀行や政府が積極的な財政出動を実施したことが原因で、2020年以降の金融市場には莫大なマネーが入ってきた。水ETFにもそうしたマネーが入ってきたことは事実だが、水ビジネスは気候変動などの影響がストレートに反映されるテーマといっていい。
しかも、ハイテク関連銘柄などと異なり、コロナの収束によってその業績に影響が出る可能性は少ない。最近になって、コロナ禍によって集中的に投資されたハイテク関連セクターの資金が徐々に流出しつつあるといわれる。金融市場は、その受け皿として「水」や「環境」を選択しつつあるのかもしれない。
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