「水ETF」投資がやたら注目されるようになった訳 気候変動の影響が反映され次代の投資テーマに

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「世界の水紛争:報道されていない事実(GNV、2020年11月26日配信)」によると、「パシフィック・インスティチュート(Pacific Institute)」の調べでは、2000年から2019年までの20年間で起きた水をめぐる紛争や暴力事件は676件あり、そのうちの3分の2が2010年以降に起きているそうだ。水をめぐる争いは年々増えている、ということだ。

水先物市場まで登場! 変化する「水ビジネス」

こうした水に対する意識の高まりからか、2020年12月には「シカゴ・マーカンタイル先物取引所(CME)」で「水先物市場」が取引を開始している。水価格指数「ナスダック・ベルス・カリフォルニア・ウォーター指数 Nasdaq Veles California Water Index(NQH2O)」の価格に基づいて、取引される先物市場の1つだ。

同指数は、農家や企業などが、カリフォルニア州で売買されている水の使用権価格を加重平均した価格で、約123万リットル(25メートルプールの2倍強の容量)当たりの価格を示している。現在の価格は、872.93ドル(9月21日現在)だが、この1年半で約4倍近くに跳ね上がっている。先物市場の開設以降、価格は急騰している。

まだ取引量は少ないが、いずれは石油市場に匹敵するマーケットになる可能性もある。21世紀が「水の世紀」と言われていることでも、水ビジネスの将来性の高まりが予想できる。

長い間、「日本人は空気と水はタダだと思っている」と言われ続けてきたが、いまや水は立派なビジネスであり、貴重品といっていいだろう。

そんな状況で、日本経済新聞が「水ETF価格 急騰」(9月8日朝刊)でも報道したように、水関連のETFが価格を急激に押し上げている。

水ETFとは、アメリカのナスダック市場やイギリスのロンドン市場に上場されている銘柄で、実は以前から上場されていたETFの1つだ。その水ETFが2021年3月以降ほぼ一直線に上がり始めたことから注目されるようになった。水ETFの代表的な銘柄を簡単に紹介していこう。

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