「まるのうち保健室」を三菱地所が立ち上げた背景 丸ノ内エリアで働く女性に向けた取り組みとは
東京・丸の内周辺に就業する人はおよそ28万人。上場企業の本社も100以上あるといわれる。
そんな丸の内エリアで働く女性たちに向け、丸ビルなどを中心に大規模な街づくりを展開する三菱地所がこの秋、企業も巻き込んだ取り組みをスタートした。
同社では2014年に「まるのうち保健室」と銘打って、働く女性の抱える健康課題を調査し、その結果をもとに健康サポートするプロジェクトを立ち上げた。今秋の取り組みもその一環で、今までの参加者は女性限定だったが、今回は男性や管理職など当事者以外が参加できるプログラムも用意した。
自分のことが後回しに
「今でこそ、妊活やPMS(月経前症候群)の認知度も上がり、それまでタブー視されてきた女性の体に関する話題もオープンに語られるようになりましたが、立ち上げ当初はそこまで機運は高まっていませんでした。
一方で、SNSが活発になり、情報過多のため、働く女性が本当に困っていることが見えてこなかった。そこで大手町、丸の内、有楽町などで働く女性1000人の健康調査を行いました」
そう話すのは、三菱地所エリアマネジメント企画部のプロデューサー井上友美氏。
100問に及ぶアンケートのほか、体組成や骨密度などの測定やカウンセリングを実施。その結果、20~30代では、朝食欠食率は全国平均を1.5倍上回る36%、半数以上が睡眠時間6時間以下、平均摂取エネルギーは1479kcalと20〜30代女性の推定エネルギー必要量約2000kcalを大きく下回った。にもかかわらず、約9割は近い将来の妊娠を考えていたという。
「アンケートでは大量の設問に答えないといけないので、最初のハードルが高い。そういう意味では、参加者は健康への意識やモチベーションの高い人たちのはずなのに、結果は予想を上回るひどいものでした。キャリアがあっても、自分のことは後回しになっている女性が多かった」(井上氏)
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