「まるのうち保健室」を三菱地所が立ち上げた背景 丸ノ内エリアで働く女性に向けた取り組みとは
調査結果から見えてきた課題に対しての取り組みを開始。セミナーやイベントを実施したほか、「新習慣メソッド」を開発してダイアリーを作成したり、クリニックや飲食店などのテナントとのコラボ企画を通して、コンスタントに個人にアプローチしてきた。
しかし「働く女性は、個人でできることはもうめいっぱいやっているんです。環境が変わらないと、社会全体の問題は解決しない。そのためには企業の巻き込みが必要不可欠だと感じた」(井上氏)
それで生まれたのが、この秋から始まった2つのプロジェクトだ。
妊活コンシェルジュサービスを手がけるfamione(ファミワン)とコラボした「ファミワン×まるのうち保健室ウェルネスプログラム」は、まるのうち保健室で初めて、男性や管理職も参加できる。
「実施前にグループ企業内で調査したところ、男性社員も妊活や女性の健康についての課題の重要性は実感して、学びたいと思っている人が予想以上に多かった。今までその機会がなかっただけ」(井上氏)
当事者の女性はもちろんのこと、パートナーとして、同僚として、上司としてさまざまな立場の人が受講できるセミナーを全20回(9月〜12月)用意した。
女性活躍のサポート
内容は「不妊治療」「産休・育休・保活〜復帰までのポイント」「結婚しない生き方」「産業医による睡眠の質向上」「更年期障害」「こどもへの性教育」など幅広く、講師陣も不妊症看護認定看護師やキャリアアドバイザー、産業医、人気YouTuberと多種多様。
1回単位での参加も可能で、オンラインとリアル会場(※緊急事態宣言中はリアル開催は中止)で実施し、アーカイブ配信もある。ランチタイムに設定されているものも多いため、在宅ワークで1人昼食を取りながら、視聴することもできる。
個人参加は各550円。契約企業の社員はすべて無料で参加でき、ファミワンの月額3980円プレミアムプランの会員も利用可能。また、臨床心理士やカウンセラー、看護師などにより20分の個別カウンセリングもワンコイン(契約企業社員は無料)で提供する。
「いろいろな企業の人事部などと話しをするなかで、どこの会社も女性活躍のサポートをしたいという思いは持っている。しかし、具体的な施策になると、プライベートなことに踏み込むことになるので、どこから手を付けるか優先順位に迷っている企業が多い。いろんな希望に寄り添え、強制ではなく、自分で選べる。そんなプラットフォームがあると乗りやすい」(井上氏)と企業側の需要をうまくくみ取った。
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