ゴーンCEOの役員報酬8.9億円をすんなり認めた日産の株主総会--問われる株主たちの“民度”
日本企業は、「株主優待制度」で自社製品を株主たちに送ったりしている。たとえば、食品メーカーなどは、自社の食品を株主に送ったり、株主総会後に試食会・パーティを行い、オミヤゲにしたり--。
エレクトロニクスメーカーも乾電池などの自社製品をオミヤゲにしたりしている。また、あるサービス業の企業は、おコメ(ブランド米)を株主に送ったりしている。
この手間ヒマは大変である。手間のみならず、送る費用・コストも馬鹿にはならない。広報・IR・総務担当者からは悲鳴が上がっている。
それどころか、株主としては「損」をしている面がある。
「株主資本」取り崩し--株主は自分のカネで自分を優待しているにすぎない
「株主優待制度」の費用・コストは、「株主資本」に蓄積されるべきおカネから出されている。となれば、株主たちは、自分のおカネで自分を「優待」しているにすぎない。何のことはない。自分のカネで自分に払って、その企業の自社製品をもらっているだけだ。
株主たちは、そんな「優待」などは即刻返上して、「売り上げ、収益を上げ、配当を上げろ」と経営者に訴えるべきだ。そのほうが、その企業の経営者にはきつい要求になる。
オミヤゲなどを渡すのは簡単だが、増収増益・増配はそう簡単ではない。経営者の経営能力が問われる要求になる。
株主たちの「民度」向上なくして、日本企業の進化・改革はありえない。日本企業が世界で生き残るには、まず、「株主優待制度」といったローカル基準を捨てることから始める必要があるのではないか。
(東洋経済HRオンライン編集部)
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