SDGsの根幹「人権」に日本の意識が低すぎる大問題

経産省と外務省がデューデリ状況をやっと調査

人権リスクの把握と対策を求める動きが世界で広がっている(デザイン:藤本麻衣)

「人権デューデリジェンスを知っていますか」「取引先を対象とする人権デューデリジェンスの実施体制はどのようにしていますか」

経済産業省は9月3日から、外務省と共同で「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況のアンケート調査」を行っている。東証1部・2部の上場企業を中心とする2700社に送付し、9月30日を回答期限にしている。

全56ある設問のうち12が、「人権デューデリジェンス」(人権DD)に関するものだ。多くの人にとっては聞き慣れない言葉かもしれない。人権DDとは、自社のみならず取引先などに至るまでのサプライチェーン上で人権侵害が発生している可能性を調査し、対策を講じることだ。

遅まきながらも始まった政府の動き

調査を主導するのは、今年7月に経産省に新設されたビジネス・人権政策調整室。門寛子室長は「近年欧米を中心に、企業に人権尊重を求める法令の策定・実行が相次いでいる。日本企業のビジネスのあり方が急速に変化している」と、調査の狙いを説明する。

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『週刊東洋経済』9月21日発売号は「ビジネスと人権」を特集。グローバル企業である味の素や花王などが人権リスクの把握と対策を行う様子や、外国人技能実習生を雇う企業が雇用状況の調査などを始める動きをリポートしている。

ただ、企業に人権DDを義務づける法整備が進む欧米と比べて、日本が周回遅れであることは否めない。経産省・外務省のアンケートも、ESG(環境・社会・企業統治)投資研究の先駆者である高崎経済大学の水口剛学長からすると、取り組みが遅いという。

人権を尊重する責任を企業が負うことを明記した「ビジネスと人権」指導原則が、国連人権理事会で採択されたのは2011年のことだった。「日本政府が企業の人権問題に関心を持ち始めたことは評価できるが、まだ実態把握の段階」(水口氏)という状態だ。

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